【インフルエンザQ&A】保育園の登園はいつから?我が子を守る基礎知識
冬になると、毎年流行するのがインフルエンザ。
お子さんが保育園に通っていると、保育園で流行する事もしばしばですよね。
インフルエンザにかかると、しばらく保育園をお休みしなければなりません。
それにより、お仕事をされているママは看病をするために、仕事を休まなくてはいけなくなります。
熱が下がって、元気になったら直ぐにでも、保育園に預けて仕事に行きたい…と思うママも多いのではないでしょうか?
インフルエンザにかかったら、いつから登園していいのか?という疑問について、私の保育士時代の経験を踏まえて紹介します。
Contents
インフルエンザとは?
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気です。
インフルエンザウイルスには、大きく分けてA型、B型、C型の3種類があります。
このうち「季節性」のインフルエンザとして流行するのが、A型のAソ連型とA香港型、B型のウイルスです。
しかし近年では新型インフルエンザウイルスが出現してきて、世界的大流行を引き起こしています。
季節性のインフルエンザは、例年11月〜12月頃に流行が始まり、1月〜3月頃ピーク迎えますが、新型インフルエンザの出現により、5月から感染者が確認され、夏以降も感染数が増えています。
感染の仕方は、咳やくしゃみに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込む事で感染します。
これを飛沫感染と呼び、感染力がとても高いです。
そのため、集団生活の場などであっという間に拡大していってしまうのです。
インフルエンザの出席停止
感染症であるインフルエンザにかかった場合、学校法律法によって「出席停止」の措置がとられます。
保育園の場合の出席停止期間は、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱してから3日を経過するまで」とされています。※日数は、発症した日を0日として数えます。
しかし、この日数よりも早く回復してしまう事があります。
仮にこの日数が経つ前に、熱が下がって元気になったとしても、登園をしてはいけません。
これには、理由があります。
保育園児の年代の子どもは、まだ免疫力が低く、ウイルスの増床期間が長いです。
そのため、発症してから3〜7日間は体内にウイルスが残ると言われているのです。
たとえ元気になったとしても、まだ体にウイルスが残っているかもしれません。登園する事で周りの人に感染させて流行してしまう恐れがあります。
また、うつった子どもが合併症を起こして、取り返しのつかない事になってしまう可能性もあります。
必ず日数が経過するまでは、登園してはいけませんよ!
登園してもいい状態って?
では、子どもの症状から見た場合、登園できる状態はどのようなものでしょうか?
もちろん、熱が出ている状態の時は、登園する事は出来ません。微熱でもダメです。
発症して後5日、解熱から3日を経過して、頭痛や咳、くしゃみの症状が出なくなったら登園しても良いでしょう。
ただし、子どもの体力が低下している場合があります。よく様子を見て、無理をさせないようにしてあげて下さいね!
また、いったん熱が下がっても、ぶり返してしまうことがあります。
しばらくは、できるだけ安静に過ごすように、子どもや担任の先生に伝えておきましょうね。
登園する際の連絡や書類
インフルエンザが落ち着いて登園する際には、保育園に連絡を入れるようにしましょう。
感染拡大を防ぐ目的もありますが、まだ体調が万全ではないことを伝えることで、注意を払ってもらう目的もあります。
また、万が一ぶり返す事があっても、すぐに対処してもらえるでしょう。
これは、必ず必要になるものでありませんが、多くの保育園で提出する必要がある書類です。 登園許可証とは、各保育園が発行し、医師が作成するもの、病気の完治を証明する書類です。 直接保育園にもらいに行くか、郵便やネットで手に入れる事ができる場合もあります。 もしインフルエンザの疑いがあるようであれば、保育園を通る際にもらっておくと安心でしょう。 なお、登園許可証は一般的に保険適用外となるので、3,000〜5,000円の料金がかかります。 ただし、地区の学校医指定を受けている病院で診察を受けると無料になることもあるので、病院を選ぶ際にはテェックしてみてはどうでしょうか?
私も、保育士時代に登園許可証を出してくれない保護者がいて困った事がありました。
もちろん、登園許可証にお金がかかるなんて知らなかったので、困った親だ…と内心思ってました。
しかし、今思うと登園許可証にそんなにお金がかかると、なかなか貰えない事もありますよね。
もし自分の子どもがかかったら、受診する病院もきちんと調べなければ…と勉強になりました!
インフルエンザで保育園は学級閉鎖にならないの?
学級閉鎖というと、なんとなく小学校のイメージが強いですよね。
もちろん中学校や高校でも、インフルエンザやノロウイルスなどが流行すれば、学級閉鎖は行われます。
一方で、保育園や幼稚園は、小学校などと比べて基準があまりハッキリしないようです。
幼稚園は、欠席者が多い場合は学級閉鎖は行われます。幼稚園は教育が目的、つまり学校と同じなためです。
しかし学級閉鎖の基準はあるのですが、自治体によって違っていたりと、学校よりも曖昧なものです。
保育園はというと、親が働いているなどの理由で子どもの面倒をみられない時間に預かってくれる場所なので、学級閉鎖をされると親が困ってしまいます。
保育に欠ける子どもを預かるのが目的のため、基本的には学級閉鎖は実施しないところが多いです。
しかし、どちらの場合でも、結局はそこの施設の人達が決めるようです。
幼稚園でも保育園でも、欠席者や病気の流行状況、家庭や園側の事情で学級閉鎖を実施するかしないかを決めるのです。
そのため、子どもの感染を恐れて学級閉鎖を望んでいるのに実施されなかったり、その逆の自事態も起こりうるのです。
ちなみに…私の保育士時代、新型のインフルエンザが流行した事がありました。
この時は、園長が判断をして休園という措置がとられました。
もちろん、働いている保護者ばかりなので、きちんと説明をして理解を得た記憶があります。
これは特別な例ですが、新型のインフルエンザは今度いつ流行するかも分かりませんよね。
我が子も来年から保育園。
私も保護者立場になって、初めて学級閉鎖や休園になる大変さを実感しています。
保育園サーベイランス
そもそも、保育園は「保育に欠ける子ども達」が行くところ。
感染症が拡大してしまう恐れがあっても、なかなか休園や学級閉鎖という措置をとりにくい面があります。
しかし、保育園は年齢が低い子も多くいて、長時間保育などもしているので、感染症があっという間に拡大してしまう事も事実です。
そのため自治体によっては、インフルエンザで保育園を閉鎖しないかわりに、「保育園サーベイランス」というシステムによって予防に努めている園が多くあるのです。
この「保育園サーベイランス」とは、
国立感染症研究所感染症情報センターが立ち上げた、「保育園欠席者・発症者情報収集システム」のことです。
このシステムにより、地域や近隣における感染症の状況が把握できます。
また、その感染症が流行する兆しを捉える事ができ、その情報を職員保護者とも共有できるので、早期に対応が可能となります。
このようなシステムを使って、インフルエンザが流行する状況をいち早く察知して対応していくのです。
私が保育士をしていた時は、こんな素晴らしいシステムの存在を知りませんでした。
田舎だったからかもしれませんが…
近隣の保育園でインフルエンザが出ると、必ず情報が回ってはいましたが。
このようなシステムがあれば、より情報が的確で、インフルエンザへの注意を促すのにはもってこいではないかなぁ、と感じます。
学級閉鎖になる欠席人数基準
学級閉鎖になるための欠席人数の基準は、厳密には決められていません。
欠席した人の原因やクラスの人数など、その時その状況によるのです。
しかし、おおむねクラスの20%以上の人数が欠席になると、学級閉鎖が検討されるようです。
もちろん、状況によって例外もあります。
インフルエンザなどの感染力が強い病気の場合は、少ない人数でも学級閉鎖になったり、逆に拡散の心配がない場合は欠席者が多くても学級閉鎖にならない事もあるのです。
インフルエンザでの学級閉鎖時の過ごし方
インフルエンザが流行して、子どもはかかっていないけれど、学級閉鎖になったという場合があります。
保育園であっても、流行の様子や、新型のインフルエンザのために休園する事もあります。
そのような時は、家でどのように過ごすべきなのでしょうか?
インフルエンザは、3日程度の潜伏期間があり、もしまだ発症していないとしても、身体の中にウイルスが潜伏している可能性があるのです。
そのため、発症していない子でも、感染していない人と接触をすれば感染が広がっていってしまうので、学級閉鎖となっている訳です。
ですから、学級閉鎖の期間も、原則として4日間となっています。
この4日間の過ごし方は、原則としては「外出禁止」となります。
しかし、働くママが4日もお休みができるとは限りません。
やむを得ない事情がある場合には、これらについては保護者の判断に委ねられ、自己責任となっています。
祖父母や友達に、自分の代わりに子どもを見てもらって仕事に行く方法もあります。
しかし、もしこの事で感染してしまっても、自己責任だという事です。
また、通院などやむを得ない外出をする場合は、マスク着用や手洗い・うがいを徹底して、予防に努める必要があります。
学級閉鎖期間は、外出は控えて、どうしても外出しなければいけない時は、徹底的に予防に努める事が大切なのです。
家庭での対策の重要性
通っている幼稚園や保育園の対応がおかしいと感じても、そもそも判断の基準がない事もあります。
もちろん意見をしっかり述べていくことも大切でしょう。
しかし、保護者同士でも意見の相違がある事も考えられる上に、どちらの意見が正しいのか分からないものです。
そのため何よりも大事な事は、「我が子の健康」でしょう。
インフルエンザが流行しているのに、学級閉鎖をしてくれないと怒るのでは無く、子どもが感染しないように自己判断で休ませる。
小学校のような義務教育ではないので、親の判断でいいのです。
大丈夫そうなら行かせる、危なそうなら休ませると判断基準を自分なりに決めるといいでしょう。
また、親としては仕事があるので、なかなか休ませるわけにはいかない事もあるでしょう。
そのため、子供の健康管理は十分に気をつけてあげるようにしましょう。
インフルエンザの予防に心がけ、手洗いうがいを徹底したり、しっかり睡眠をとれるように生活リズムを整えるなど、できる事は沢山あります。
まとめ
このように、インフルエンザにかかったら、発症した後5日、解熱して3日は家で大人しくしている事が大切です。
子どもは、熱が下がると途端に元気になるもの。「元気だし、いっか」と登園させてしまうと、大変な事になる可能性もありますよ。
また、保育園でも学級閉鎖する可能性があります。
対応できるように、事前に職場に話をしておけると良いのではないでしょうか。
予防接種や手洗いうがいの徹底で、インフルエンザにならないように気をつける事も大切ですよ。
インフルエンザの流行に負けずに、元気に過ごしましょうね!