【食後の腹痛】は便秘によるもの?キーン!とくる痛みに自分でできる予防・改善法
便秘が数日続くと、腹痛に襲われる事ってありませんか?特に、食後にキーンとくるお腹の痛み…
便秘はいつものことだけど、腹痛までは初めて!この原因はなんだろう?どうしたら治るんだろう?病院に行くべきだろうか…
その腹痛もしかすると、緊張やストレスからくる過敏性腸症候群かもしれません。慌てなくても、症状によっては自分で対処できることもあります。まずは、過敏性腸症候群なのか自己診断してみて、当てはまるようであれば、ここで教える症状の見極め方と、対処法をまずは試してみてください。
Contents
食後の腹痛の原因ってなに?
- 腸にポリープや大腸がんなどの疾患がないにも関わらず、食後に腹痛がある
- 現在、便秘もしくは下痢もしくはその両方をしている
- この下痢・便秘が解消されると腹痛が軽くなる、なくなる
それってもしかすると、過敏性腸症候群かもしれません。
慢性的な便秘や下痢に悩まされている方は、ストレスや緊張からくる自律神経の乱れが原因となって発症する、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。ただ過敏性腸症候群の原因は完全には明らかになっていません。痛みなどに敏感になる内臓知覚過敏の可能性や、腸の運動機能低下に加え、ストレスや過労などの要素が複雑に絡み合っていると指摘されています。
思い当たる事、ありませんか?
緊張するとトイレに行きたくなりますが、長期間それが慢性的になっていると、過敏性腸症候群の疑いがあります。過労、睡眠不足、ストレス…腸の蠕動(ぜんどう)運動を鈍くしたり(便秘)、逆に活発になり過ぎたり(下痢)を引き起こす原因です。
過敏性腸症候群チェック
まずは、便秘・下痢の時の腹痛が過敏性腸症候群からくるものか、自己診断でその可能性をみてみましょう。
- 排便があるのは週に3回以下
- お腹の張りがある
- 腹痛もあり、排便する際は努力して排便する
- 腹痛は排便で軽くなる
- 排便後に残便感がある
- 腹痛があって、下痢をおこす
- 1日3回以上の下痢を起こすこともある
- 便秘と下痢をよく繰り返すことがある
- 緊張するとお腹が痛くなりやすい
- 仕事前、お腹の調子が悪くなりやすい
いくつ当てはまりましたか?3つ以上当てはまり、当てはまる数が多いほど、過敏性腸症候群の疑いがあります。
過敏性腸症候群は便秘型と下痢型に分けられ、両方を交互に繰り返すパターンもあります。
便秘型
- 排便は週3日以下
- 排便する時は強くいきまないと出ない
- 出てもうさぎのフンのようなコロコロタイプ
- 排便しても残便感がある
下痢型
- 1日3回以上の下痢
- 水のような下痢
- 急激な腹痛にみまわれる
不意に出る”おなら”は過敏性腸症候群かも?
便秘によって腸内に有毒ガスが発生、充満しお腹の張りによって腹痛を起こすこともあります。そして過敏性腸症候群によって、頻繁におならが出ることもあり、実は便秘・下痢よりもおならに悩まされている人も多いとのこと。気づかないうちに重症になると、不意におならが出て臭いが…行きづらいと思いますがこの場合は一度、病院での診察をおすすめ致します。
食後にくる腹痛を和らげる対処法①食事
食生活の改善、排便習慣の徹底改善、睡眠時間をきちんととるなどで改善できることも十分あります。
便秘型タイプ
1.食物繊維を積極的に摂取する
食物繊維を積極的に摂取して、自然なお通じを習慣化する事が大切です。
厚生労働省が発表する日本人の食事摂取基準(2015年版)において、1日における食物繊維の推奨摂取量は、成人男性20g以上、成人女性18g以上とありますが、実際これだけの量を食事で摂取するには、よほど意識しなければ難しいでしょう。
さらに毎日のスッキリの為には、成人女性で20gと、さらにハードルがあがります…。
そんな食物繊維は二種類あって、それぞれ働きが異なります。どちらか偏っていては、効果は半減ですよ!意識すべきは、食物繊維の量と、種類です。
《水溶性食物繊維》
多く含む食品…海藻(特にひじき)、きのこ(特にきくらげ)、果物(特に干し柿、イチジク、プルーン)、こんにゃく
- お腹がすきにくく、過食の防止に
- 糖質の吸収がゆるやかで、急激な血糖値の上昇を抑制
- コレステロールを体外に出す
- 大腸で分解されるとビフィズス菌が発生し、腸内環境が整う
《不溶性食物繊維》
多く含む食品…大麦(もち麦)、玄米、さつまいも、豆類(特に大豆、きなこ)野菜(特に切り干し大根、パセリ、ごぼう)
- 胃と腸で水分を吸い、かさが増すことで腸を刺激。腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す
- 筋などがあり、よく噛むことで、満腹中枢を刺激、食べ過ぎを抑制
- 大腸で分解されるとビフィズス菌が発生し、腸内環境が整う
◆水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維が高バランスに含まれているスーパーフード、チアシードは、忙しい現代人には簡単手軽でおすすめです。チアシード大さじ1杯(12g)には、食物繊維が約4.1g含まれており、食事ではまかなえない不足分を簡単に補う事ができます。詳しくは、下記で。
2.水分補給
体内の水分が足りていないと、便が固くなりがちです。日常生活で積極的に水分補給を行いたいのはもちろん、乗り物(特に長距離移動)に乗る時、トイレを気にして水分不足になりがちです。
熱中症対策で水分補給が重要視される夏だけでなく、乾燥する季節は体内も乾燥しがちに…のどが渇く前に補給しましょう。
起床時の水分一気飲みは便秘解消の代名詞。こちらも効果が期待できるので、朝食前にコップ1杯の水を!
3.乳酸菌を含む発酵食品を摂る
例えば…ヨーグルト、納豆、味噌、チーズ、漬物、キムチ、甘酒です。キムチチゲ風味噌汁、納豆味噌汁なんて最高ですね!
4.刺激の強いもの(香辛料など)は控える
腸にとって刺激が強すぎものは避けるようにしましょう。
5.腸活にチャレンジしてみる
私も便秘に悩まされていましたが、たった2週間の腸活を行っただけで劇的な変化がありました。百聞は一見に如かず…一度、試してみてください。
下痢型タイプ
下痢型タイプが避けるべきものは…
- 冷めたい飲み物
- 牛乳などの高脂肪のもの
- 辛い物・刺激物
- カフェイン
- アルコールの大量摂取
腸に刺激を与えるものは控える事、高脂肪のものは消化が悪く、大量に摂取することは避けましょう。
逆に、下痢を抑える成分パクチン・タンニンを含む食品は効果が期待できるかもしれません。
例えば…リンゴ、ニンジン、ブルーベリー、紅茶です。すりおろしりんごを紅茶に溶かすのも有効ですね。
食後にくる腹痛を和らげる対処法②日々の生活でできる事
- 胃腸の負担軽減のため、ゆっくり噛んで食べる
- バランスの良い食事を心がける
- 暴飲暴食は控えて
- 睡眠時間は充分に
- 自分に合ったストレス発散を
忙しい時こそ、逆にゆっくり話したり、行動してみてください。気持ちが落ち着くことで、極度の緊張から解放されるはずです。緊張している時は呼吸も荒くなりがちです。緊張したら大きく深呼吸を。
コンビニ弁当やお惣菜ばかりでは栄養が偏ってしまいがちに。どうしてもの日には、サラダをプラスしたりして、おにぎり・カップ麺のみ…は避けましょう。
便秘に効く市販薬の選び方
まずは上記で紹介した食事の見直しで改善できればいいのですが、それでも、どうしてもツライ!という日もあると思うんです。そんな時には、市販薬頼みも。
市販薬の便秘解消における働きは主に3つあります。自分の今の便秘はどのタイプなのかを見極めて、症状にあった市販薬を選んでくださいね。薬剤師が在籍する薬局では、ご自身の症状を説明した上で相談してみるのもいいと思います。
1.腸を整える薬
乳酸菌製剤 (成分:ビフィズス菌)
引用 ビオフェルミン
腸内の善玉菌を増やし、腸を刺激。蠕動(ぜんどう)運動が活発に。根本的に腸の調子を整えるための薬で、他の便秘薬とも併用可。即効性はなく、腸を整える基本となる薬。
2.便を柔らかくする薬
引用 健栄製薬
便を柔らかくする作用を持つ薬は、さらに3種に分類され、いずれも副作用が少なく、クセになりにくいのが特徴です。
特に、酸化マグネシウムが成分の便秘薬は病院で処方されることも多い薬です。腸に水分を引き込み、便を柔らかく、便のかさ増しをサポートします。大量の水と飲むと、より効果を発揮します。
3.大腸を刺激する薬
引用 大正製薬
薬の成分が腸で分解された物質により、小腸・大腸に直接刺激を与え、蠕動(ぜんどう)運動を促すのがこのタイプ。上記2種に比べると即効性は見込めますが、クセになりやすく、作用も強いため、長期使用は避けたいタイプでもあります。
引用 武田薬品
漢方(成分:ダイオウ・センノシド・センナ)もこの種類に分類され、個人差はあるものの、漢方だからゆっくり効く…というわけではなく、しっかりと効き目を実感できます。
そして、浣腸もこの種類に分類され、短時間で確実な効き目があります。ただし便意が鈍るので、使い過ぎには注意が必要です。
病院
腹痛の症状が長引く場合、病院を受診することをおすすめします。消化器科もしくは胃腸科へ行きましょう。
問診後、過敏性腸症候群かどうか見極める検診を受けます。他に病気がないか、内視鏡検査を行うこともあるそうです。
治療は食事指導や、生活習慣の改善指導がメインです。その他、薬を処方されて、下痢や便秘を抑える治療を行います。ただやはり、難しくとも日々の生活パターンやストレスの軽減をしてあげないと根本的な解決にはならないので、医師だけに治療を任せきるよりも、自身の努力も必要になってくると思います。
まとめ
食後の腹痛は、過敏性腸症候群が原因かもしれないと思われた方も、神経質になる必要はないと思います。食事も、あれはダメ、これもダメ…となるとかえってストレスになり、軽度なものが悪化してしまうこともあるからです。
生活パターンの見直し、改善や規則正しい食事、睡眠を充分にとれば、うまくコントロールできるのが過敏性腸症候群です。
神経質になり過ぎず、まずはできる事から少しづつ始めてみてくださいね。