【固い便】・【出にくい便】のスムーズな出し方‼
固い便・出にくい便の原因って何だろう?
スムーズな出し方を模索中の方へ、固い便を作る理由と、その解消方法をご紹介します。
食物繊維にヨーグルト、便秘に良いと言われる物をいろいろ取り入れてみたけど、効果が実感できない…。それどころか、切れ痔になってしまったり、肛門付近が痛い、ますます辛さが増すばかり…。そんな事はありませんか?
便秘のタイプは人それぞれ。もしかしたら、固い便・出にくい便を改善するための正しい方法・食べ物が選択できていないのかもしれません。自分に合った《出し方》を見つけることができれば、スッキリ快調な毎日を手に入れることも決して夢ではありません!
Contents
固い便・出にくい便の出し方
固い便の出し方は、
①便意を感じた時に、②出し切ろうとせず、③理想の排便ポーズは「考える人」の態勢で!です。
◆ポイントは3つ
- 便意を感じてからトイレに行く
- 固い便を無理矢理出そうと、いきみ過ぎない
- 出ないからと、長時間トイレにこもらない
まず、便意を感じてからトイレに行くと、一回のいきみで7割から8割排便でき、肛門に負担をかけずに排便できるそうです。
固い便を1回で出し切ろうとする排便時のいきみ過ぎは、痔を招く恐れがありますので、絶対にやめましょう。
「その原因、Xにあり」切れ痔・イボ痔にならない為の理想の排便ポーズとは!?
テレビ番組で紹介された理想の排便ポーズ「考える人のポーズ」はイラストで、こちらの記事に詳しく紹介しています。
出し方を知ったら、固く出にくい便になる理由と、固い便を作らない解消方法を紹介していきますね。
固い便・出にくい便になる理由
便意はあるものの思うように便が出ず、出ても固く出にくい便、お腹の痛みに悩み中…
食物繊維が良いと聞いて、 キノコや根菜などを積極的に食べるようにしても、むしろ余計にお腹が痛み、辛くなってしまった…なんて事、ありませんか?
固い便・出にくい便の原因の多くは、ストレスによるものです。
ストレスを感じがちになると、脳がストレス信号をキャッチ。大腸の管を緊張させてしまい、便がなかなか前に進んでいかない状態を作り出します。
引用 健栄製薬
便が進んでいかない間に、腸管の中で便の水分は吸収され続けてしまうので、便はウサギのフンのようなコロコロした水分が少ない為に固い便・出にくい便の状態になってしまう…というメカニズムです。
中には、下痢と便秘が交互に起こってくる人もいます。
栄養管理士の筆者の元へは、便秘で悩む方も多く来訪し、真面目な性格の30代女性Bさんもその一人です。
普段のBさんの食生活
- 毎日3食、ほぼ決まった時間に食べる
- 朝は 牛乳とシリアル
- 昼は主に外食。サラダがついたランチセットで、野菜を意識している
- 夜はコンビニ。最近は食物繊維の入ったものをできるだけ選ぶようにしている
- たまにある飲み会ではアルコールを飲むことも
一見、規則正しくしっかりとした食生活です。しかし、まじめな性格のBさんは、とてもストレスを感じがち。
Bさんの場合もストレスが、固い便・出にくい便になる理由で、このように、きちんとした食生活でも根本的なストレスを軽減する事が非常に大事なのです。
固い便・出にくい便の解消方法
できるだけ腸管を刺激しない事が大切なポインです。
まず消化の良い食べ物や腸内環境を整えてくれる食べ物で、腸の状態を穏やかに保ち、更に便の量を増やしてくれる食べ物で、スムーズな排泄を促していく事が効果的です。
「不溶性の食物繊維」の多い食事は、腸管への刺激になってしまいます。
根菜やキノコ、冷たい牛乳やシリアルなどを たくさん食べる事は、むしろ逆効果になってしまうので、注意が必要です。
また、食べ過ぎや脂っぽい食事なども刺激になってしまうので、避けていく事がポイントになります。
◆OK食品
- 消化にいい食べ物
- 腸内環境を整える食べ物
- 便のカサを増やす食べ物
◆NG食品
- 不溶性食物繊維
- 冷たい食べ物
- 油っぽい食事
それではもう少し掘り下げて解説していきます。
固い便・出にくい便を解消するポイント
ポイント①腸内環境を整える
まず、腸内環境を穏やかに整えるには、乳酸菌やビフィズス菌など、「プロバイオティクス」と呼ばれる善玉菌が効果的であると言われています。
腸の中には、大きく分けて善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類の菌が住んでいます。
そのうち悪玉菌は、腸の内にある食べ物を腐らせて毒素やガスを排出し、腸管に刺激や負担を与えてしまいます。
プロバイオティクスを含んだ食べ物をとって、腸の中の善玉菌を増やしていくことで、腸内での悪玉菌の活動を抑え、腸の中を穏やかに整えてくれる効果が期待できるようになります。
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善玉菌は、オリゴ糖など「プレバイオティクス」という善玉菌の「餌」となる成分と一緒に摂るようにすると、お腹の中でその餌を食べながら善玉菌がより効率的に増えて、更にしっかりと活躍してくれるようになります。
最近では「菌活」という言葉もあるように、体に良い菌や菌の餌になる食べ物を積極的に摂って、美容や健康に役立てている方も多いですね。
ポイント②便のカサを増やす
次に便の量を増やしていくには、同じ食物繊維でも水に溶ける「水溶性の食物繊維」を摂るのが効果的です。
こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」や果物に含まれる「ペクチン」などは、どこかで目や耳にされている方も多いのではないでしょうか。
これらはすべて、水溶性の食物繊維の仲間になります。
水溶性の食物繊維は、水分を吸ってゲル状に膨張する性質があるので、お腹の中で便のカサを増やし、便の量を増やしてくれる効果があります。
◆まだまだある水溶性食物繊維の嬉しい働き
小腸の中でクッションの役割をして 糖分の吸収速度を緩め、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれたり、またさらに脂肪の吸収を抑えたり、血中コレステロール値を減少させる働きもあると言われています。
特に便秘の状態ではなくても、普段から健康のために積極的に摂っていきたい成分ですね!
厚生労働省によると、例えばデスクワークや家事などの活動が中心の成人の場合、1日に必要な水分量はおよそ2.5ℓ。その内、食べ物から取れる水分量が約1ℓ、体の中で作られる水分量が約0.3ℓ。つまり飲み物からは、1日に1.2ℓ以上の水分をとる必要があります。
冷たい物は腸管への刺激になってしまうので、常温や温かい物で腸管への刺激を抑えながら、カブ飲みを避けて飲むのがお勧めです。
固い便・出にくい便を解消~食べ物実践編~
それでは、腸内環境を整える食べ物からチェックしていきましょう!
ヨーグルトなどの発酵食品
腸内環境を整えてくれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、ヨーグルトなどの発酵食品に多く含まれています。
ヨーグルトなどの乳製品は、急に1度にたくさん食べると刺激になってしまう事があるので、様子を見ながら少しずつ取り入れて行くと負担が少なくなります。
できるだけ果物などが入っていないプレーンタイプものや、低脂肪・無脂肪タイプの物を選ぶのがお勧めです。
更に「生きて腸まで届く」と謳われている物の方が、より心強いかもしれませんね。
他にも乳酸菌飲料などは、手軽に乳酸菌を摂取していくのにとても便利ですが、糖分をたくさん含む商品も多いので、できるだけ糖質オフの物を選ぶなどの工夫で、健康的で上手な選択をしていけると良いですね。
冷たい状態を避け、常温に近付けてから食べるようにする事も、腸管への負担の軽減に繋がるのでお勧めです。
寒天、リンゴや柑橘類などの果物
次に、水溶性食物繊維を意識して摂取しましょう!
水溶性の食物繊維は、海藻から作られる寒天や、リンゴや柑橘類などの果物に多く含まれています。
◆寒天の上手な取り入れ方
ゼリーなどにして食べるイメージが強い寒天ですが、他にもお米に混ぜて炊いたり、みそ汁やスープに入れると、お料理の味や感覚を損なうことも少ないので、3食の食事からも自然と食べやすいものです。
寒天は、市販の粉寒天や棒寒天を利用すると便利です。
◆果物の食べ方ポイント
果物は 腸管への刺激になってしまう「不溶性の食物繊維」も同時に多く含んでいるので、摂り過ぎには要注意です。
例えばジャムなどから、ティースプーン1~2杯程度を目安に少量ずつ取り入れて行くなど、上手に工夫していきたいですね。
◆野菜・海藻は…
他にも、野菜類や海藻類などにも「水溶性の食物繊維」が多く含まれていますが、「不溶性の食物繊維」も同じように多く含まれているので、場合によっては刺激になってしまうことがあります。
野菜は、より細かくカットしたり、火を通して柔らかく調理するなど、少しでも消化が良くなるように工夫していくのがお勧めです。
◆その他
更に、特定保健用食品(トクホ)商品の有効成分としてよく利用されている「難消化性デキストリン」も、実は水溶性食物繊維の1種になります。
飲み物に溶かして摂るようなスティックタイプのものは、携帯にも便利で、外出先でも手軽に利用しやすいですね。
温かい白湯
最後に、上手な水分補給の方法です!
水分補給では、やはりお水が1番のお勧め!
特に温かい白湯などがお勧めです。冷たい状態にすると腸管への刺激に繋がりやすいので、避けた方が良いでしょう。
ミネラルウォーターは、硬質の物よりもミネラルの含油量が少ない軟質の物を選ぶと、より腸管への刺激が少ないですね。
炭酸水や牛乳、コーヒー、果汁、アルコール・・・刺激になりやすいので、できれば避けたほうが良いでしょう。
スポーツドリンク・・・冷たい状態でなければ腸管への刺激は比較的少ないですが、糖分を多く含む物も多いので、そればかり飲んで健康リスクや太りやすさに繋がらないように、賢く調整していきたいですね。
まとめ
いかがでしたか?
「固い便・出にくい便」タイプの便秘の《出し方》は、腸管への刺激を避けて 、乳酸菌などの善玉菌で腸内環境を穏やかに整え、水溶性の食物繊維で便のカサを増やしていく事で、徐々にスムーズなお通じに繋がっていきます。
もちろんストレスを溜め込まない事も、便秘の解消には大切なポイントです。
時には上手に気分転換をしながら、こちらの記事を参考に、自分に合った食べ物の選択で、ぜひ気持ちの良い毎日を手に入れてくださいね。