【子宮内膜症】の正しい知識を知ろう…10人に1人が苦しむ病気とは
一口に子宮内膜症と言っても、出来る場所や進行具合で治療法も変わります。
痛みに弱い人や仕事の内容そして生活環境で、与える影響は千差万別なんですね。
しかし実際どのくらい大変かなんて、当事者じゃないとなかなかわかってもらえない部分が大半で、特に仕事場での、上司が男性だと説明もしづらいものです。
何より当の本人があまり「子宮内膜症」について知らないと、ただ痛みに耐えるだけ…なんて結果になってしまいます。
無知は最大の敵なり!子宮内膜症を正しく理解しましょう。
子宮内膜症を正しく理解されている方は、次の子宮内膜症の治療法はご存知ですか?
私の子宮内膜症の症状
毎月訪れる生理が恐ろしいと思い始めたのは20歳を過ぎた頃でした。
小学校高学年で生理が始まってから、生理痛は経験があったのですが、徐々に痛みが増していった…という具合です。
それでも市販の薬をちょっと多めに飲んだりして過ごしていました。
20歳…接客業のため常に立ち仕事で、忙しい日々を送っていました。
薬は市販の鎮痛剤を飲みつつ「早く効かないかなぁ」なんて思って耐えてたんですが…ある日、激痛に襲われ、仕事場で倒れてしまいました…我慢の限界を通り越してしまっていたようです…。
これがきっかけで「貧血じゃなく、痛みで倒れるっておかしくないか…?」そんな思いがよぎり母親に相談したところ、過剰な心配も重なって大学病院に行くことになりました。(それまで何件か近所の病院に足を運んでいましたが。)
医師からの質問内容は以下の通り
- 生理の量は多いですか?
- 生理の血が塊やレバー状のものが目立ちますか?
- 市販の鎮痛剤の量が増えてきましたか?
- 立っているのが困難なほどの痛みがありますか?
- 生理時の腰痛はひどいですか?
あれ、全部当てはまってる…。
結果「子宮内膜症」による「月経困難症」という病名が言い渡された次第です。
生理痛の痛みに悩む人はみんなこんなものかと思っていましたが、どうやら症状が思いのほかひどかったようです。
子宮内膜症ってそもそもどんなもの?
「子宮内膜症」は簡単に言うと、子宮内部にしかできない内膜が外にできてしまう病気です。
内膜は妊娠に至らない場合、月に1回体外へ排出されます。これがいわゆる生理ですね。
この内膜が子宮外にできると、その場所で増殖や剥離を繰り返すのです。
体外に出ることがないので、そこで癒着や炎症を起こしてしまうというわけなんですよ。そしてその癒着や炎症がひどい痛みを私たちに与えている元凶なのです。
想像してみましょう。
お腹の中であのドロッと経血がたまっている状態です…。
そりゃあ痛みも増すってもんだ!医師からの丁寧な説明を受け、大いに納得しました。
余談ですが、この時診ていただいた先生は説明をちゃんとしてくれて、とても素晴らしい方でした。中には全く説明も無い医者もいるので(本当に医者か!?)病院選びはとても大事ですよ!
内膜症のできる位置で病状は変わる
内膜症は色々な場所にできるので、その場所によって様々な痛みを伴います。
よくできる場所は腹膜、卵巣、そしてダグラス窩(か)なのですが、それぞれ病状が異なってくるんです。
まず腹膜ですが、大半の方がこれに該当します。小さな内膜症が腹膜の至る所に飛んでいる状態です。小さなものは数ミリ単位、また出来始めのものはなかなか診断が困難と言われているんですね。
そしてたまに耳にすると思いますが、「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」もひどいとかなりの激痛でのたうち回るそうです。大きいと10センチくらいに腫れてしまったり、破裂してしまうこともあるんですね。破裂って聞くだけで、もはやどれだけ深刻な病気かわかっていただけるのではないでしょうか。
卵巣は排卵時に腫れることがあるため、初期段階で医師が見落とすこともあるんです。なので自覚症状が出る頃には、病状が進んでいるなんてこともあります。
ダグラス窩(か)は子宮と直腸の間にあるくぼみのことを指します。ここに出来るとまず、生理時の腸の状態がとても不安定になります。私はダグラス窩(か)付近と、他にちょこちょこ飛び火している状態でした。生理痛とは別に排便痛などもあってトイレに駆け込むこともよくありました。
そして子宮の丁度、背中側の下にあたるんですが、流産にも関係してきます。内診やエコーなどでわかることがほとんどです。別名「深部子宮内膜症」と言われています。(何だか深海を彷彿させる病名です。名前だけで治療が大変そうな感じが伺える…。)
内膜症が肺やおへそや胸膜などにできてしまう、いわゆるどんな臓器にもできるという「多臓器子宮内膜症」という稀な症状もあります。あまり聞きなれない病名ですよね。
この病気は呼吸困難や喀血(かっけつ・呼吸器系の口からの出血)下血などを起こします。
癌とまちがわれることもあるそうですが、生理時に症状が出るということが診断のポイントです。
まとめ
このように「子宮内膜症」の症状は多岐に渡り、その痛みは他人の想像を絶するものです。
雑誌でも特集が組まれたり、生理休暇がとりやすくなったり(特に大手の企業は女性に対して意識的に改革してますよね。)最近やっとこの「子宮内膜症」が女性に与える過酷さについて理解が出てきたなあと思います。
女性タレントが、自身の病名、闘病生活や写真などをブログにアップして、皆に知ってもらおうとする事が多くなってきたというのも、子宮内膜症の認知を後押ししてるのではないでしょうか。
この病気と付き合っていくためには、根気と周りの理解が必要不可欠です。
そして医師の説明を受けながら治療に専念することです。治療法も様々ですし、緩和ケアもたくさんあります。症状をよく理解して、自分に合ったものを選びたいですよね。
ただただ医者を信じる時代はもう終わりました。現代病と言われる「子宮内膜症」と戦うには受け身じゃとても敵わない!
自身も、自分の内膜症がどこにあって、どういう状態なのか、そしてそのために何をしたら楽になるのか、知識を身に付ければ、改善策や治療法の選択肢も広がります。
まずはかかりつけの婦人科をちゃんと選びなおすこと。ここから始めましょう。
不妊治療の病院選びの体験などをまとめた記事は、病院選びに迷われている方には
参考になると思い作成しました。