三歳児検診の事前準備から検査内容まとめ
子どもが三歳になると、体も心も大きく成長して、1人で出来る事が多くなります。
赤ちゃんだった我が子が、春からいよいよ保育園。どんどん自分の手から離れていくのが、少し寂しいですよね。
そんな頃に受けるのが、三歳児検診です。
三歳児検診って、何をするの?
子どもの発達についてテストされるのかしら!?と心配になるママもいるのではないでしょうか。
そこで三歳児検診とはどんなもので、どのような事をするのかを紹介します。
Contents
三歳児検診とは?
三歳児検診は、正確には「 三歳児健康診査 」と言います。
これは、国が各自治体にその実施を義務付けている検診です。
三歳児検診の目的は、地域の親子の健康を守ること。
“ 子どもの健康を調べる ”と思いがちですが、実はそれだけではありません。
ママに関して
- 育児上の問題や予防接種などの相談
- ママの育児ストレスを軽減して子育てをサポート
子どもに関して
- 発達や病気の早期発見
- 健康増進、生育環境の整備
- 脳や心の発達も検査・アドバイス
色々とテストされて心配かもしれませんが、ママと子どもを助けてサポートしてくれるのです。
あまり不安にならず、ポジティブに捉えてリラックスしてどんどん子育ての悩みを相談しましょう!
三歳児検診の時期と義務
三歳児検診は法律により、満3歳を超え満4歳に満たない子どもに実施する事が義務付けられています。
実際には、3歳0カ月〜2カ月頃を主な対象とする自治体が多いです。
その頃になると自治体から検診の案内と合わせて、検査キットが送られてくるので、忘れる心配はありません。
三歳児検診は、各自治体には実施が義務付けられていますが、住民は検診を受けさせる義務があるわけではありません。
万が一受けなかったとしても、何か罰則があるわけではないので心配はありません。
しかし受けるはずの人が受けないと、自治体から心配して連絡が入るでしょう。
もし検診を受けたくない心配事があるのなら、逆に思い切って検診に行き、相談してみてはどうでしょうか?きっと専門家が親身になって、アドバイスしてくれるはずです。
費用はいくらかかるの?
三歳児検診は、無料です。
これは、各自治体に実施を義務づけられているものなので、受ける側は費用は一切かかりません。
子育てにはお金がかかります。余裕がない…と悲しまなくても、皆平等に受けられる検診なので安心して下さいね!
検診にかかる時間
三歳児検診を集団実施していて、混んでいる場合は、全体で3〜4時間かかる事があります。
三歳児と言ってもまだ子ども。
あまり長い時間、同じ所で待たされていては、間が持ちませんよね。
お気に入りの絵本や、周りに迷惑にならないオモチャを持参していくのをオススメします!
三歳児検診の内容
三歳児検診には、事前準備があります。
事前自治体から、視力・聴力・尿の検査キットが送られてくるので、家庭で検査して当日提出しましょう。
検診当日の検査の内容
- 身体計測
- 視力検査(必要な子のみ)
- 助産師、保健師による問診、発達チェック
- 医師による診察
- 歯科検診&フッ化物塗布
これらに加えて最後に、子ども向けの栄養指導がある自治体もあります。
保健師による問診内容って何?
ママにとって一番気になるのが、保健師による問診内容ではないでしょうか。
事前に記入した問診票の内容をもとに、質問されたりその場で子どもに行動させたりしてチェックします。
自治体によっては、質問の項目は多少異なる事がありますが、以下の内容を聞かれる事が多いです。
①自分の名前や年齢がはっきり言えるか
問診の冒頭では、子どもに名前・年齢を聞かれることが多いです。
その後、どちらが大きいか?何色か?などの質問をされます。
これは、大人が理解出来る程度の発音で会話できるか、二語文は話せるかを確認しているのです。
言葉問題や社会への適応能力、自我の確立が順調に進んでいるかを診るのです。
②自分で着替えが出来るか
洋服の脱ぎ着する時の様子、ボタンをかける時の細かい指の動きがチェックされます。
他にも、自分でご飯が食べられるか、トイレに1人で行けるか、自分で手洗い出来るか、などの日常生活に関する質問あります。
指先の発達だけでなく、自立して生活する意欲があるか?という精神面の成長を確認するのです。
③片足立ちやジャンプが出来るか
「目を空けたまま片足立ちだけでバランスをとって、3秒以上動かずにじっと立っているか」をチェックする自治体が多いです。
他にも、階段を上れるか?速く走れるか?三輪車をこげるか?などの質問をされたり、実際に行わせ、様子を医師や臨床心理士が観察したりします。
このテストでは、運動能力の軽度発達異常をチェックしています。
④お友達と遊んでいるか
大人と会話できるか?人の物と自分の物の区別がついているか?などの質問や、子どもの様子を見て突っ込んだ質問をされることもあります。
この質問で、お友達への興味や関わり、協調性があるかを確認するのです。
しかし、3歳では高い協調性は求められません。
極端な偏りがなく他者との関わりへの意欲があるか?程度で、上手に出来なくても大丈夫です。
身体についての計測内容って何?
三歳児検診の計測は、体重・身長・胸囲・頭位を測定します。
目的は、発達曲線に沿った身体の順調な成長を確認するのと同時に、脳の病気がないかチェックすることです。
計測時は、子どもをパンツだけにしなくてはならないのですが、嫌がる子が多いです。
もし、我が子が嫌がって服を脱がなかったり、体重計に乗らなかったりしても、保健師さん達は慣れっこなので、心配はいりません。
ママが抱っこして体重計に乗り、後からママの体重を引くなどの方法があります。
なるべく順調にいくように、お気に入りのパンツを履かせておくなど、少しの工夫も大切ですよ。
三歳児検診で肥満・低身長症が引っかかりやすい?
三歳児検診の計測で引っかかりやすいのが「肥満」と「低身長症*」です。
実はこれまで家庭内での活動が中心だったのが、保育園に入園すると運動量が増え、身長が伸びやすくなるものです。
反面、中にはこれに安心した親の行動が原因で、子どもが肥満になってしまうケースが増えています。
もし心配であれば、夜更かしや運動不足、おやつなどの高カロリー食品に注意しましょう。
ファーストフードの健康被害を知っておくのも大切ですよ!
*低身長症とは…子どもが満3歳の時点で、女の子は75.4㎝以下、男の子は86.3㎝以下の場合を言います。
低身長症の原因は、ほとんど分かっておらず、原因不明に起こると言われています。
しかし、成長ホルモンの分泌不足や甲状腺機能の低下によるものの場合、これらのホルモンの注射をする事で、成長を回復させる事が出来ます。
もし子どもが低身長の値に該当する場合、両親の体格や子どもの出生時からの推移を確認した上で、必要な専門医を受診して精密検査を受けるよう指示されます。
医師による診察内容
三歳児検診では、医師による診察があります。
診察は、胸や背中の聴診で心臓の雑音やリズム、呼吸に異常が無いか確認します。
また、腹部を触診して、胃腸や肝臓などの内臓に病気がないかを確認します。
特に三歳児に多い、臍ヘルニアが無いかチェックしています。
もし何か問題がある場合には、精密検査を受けるよう指導してくれますよ。
同時に、顔つきや頭の変形、斜頸の有無、姿勢や脊柱、手足の形態、皮膚の異常が無いかなど、全身の異常もチェックしています。
特に手足に関しては、O脚やX脚がチェックされます。一般に乳児期の子どもはO脚がほとんどで、三歳児検診を受ける頃にはX脚になっている傾向にあります。この時期に、O脚やX脚がひどいと、膝を痛めやすかったり、歩きずらくなったりするため、指導を受ける事があります。
短時間で終わる診察ですが、実は沢山の事がチェックされているのです。
歯科医による診察
満3歳になると、乳歯が生え揃い、虫歯チェックや虫歯対策がより大切になる時期で、歯科医による子どもの歯のチェックもあります。
①虫歯の確認
生えている歯を一本一本見て、虫歯の有無や治療してあるか、未処置歯のなのかをチェックし記録していきます。
虫歯の有無では、A型、B型、C型、O型という4種類の型に分けられます。
- A型…上の前歯もしくは、奥歯のみに虫歯がある軽症
- B型…上の前歯と奥歯両方に虫歯があり、放置すると重症化する
- C型…下の前歯のみ、または前歯を含む他の歯にも虫歯があり重症
- O型…虫歯なし
子どもが虫歯を作らない為には、親の仕上げ磨きは無くてはならないものです、が、見落としがちなのは、箸の共有などで親の虫歯菌が感染してしまうことです。
②歯肉炎、噛み合わせの確認
「歯肉に炎症出血、発疹などの異常がないか」「噛み合わせの悪い所はないか」
母子手帳の三歳児健康診査の欄に書かれている項目をチェックするのです。
合わせて、歯科衛生士による歯磨き指導が行われる場合が多いです。
さらに、虫歯予防のためにフッ化物の塗布を行う自治体もあります。フッ化物塗布後は30分飲食禁止となるので、検診前に食事と歯磨きをしてから行くようにしましょう。
眼科医による検査
①視力検査
子どもの斜視は0.6〜2%、弱視は0.5〜1%と言われています。
三歳児検診では、そのような遠視、近視、乱視などの屈折異常や斜視などの視覚機能の疾患を、早期に発見するのが目的です。
まず視力検査を行います。
これは、大人が受けるものと同じ検査で、2.5m離れた位置から、Cなどの文字の隙間が空いている方向を答える、一般的方法でのチェックです。
事前に検査キットが配られて、家庭で検査しておく自治体も多いです。
左眼、右眼、両眼で順番に行い視力を判定し、どれか1つでも0.5以下だと要精密検査になります。
②立体視検査
最初に、鳥や犬などの動物が描かれた絵カードを3枚見せられます。
この動物を覚えておくように言われ、これらの動物が隠れている大きな絵を、40㎝離れた所から見せて、さっきの動物はどこにいるか聞かれます。
もし答えられない場合は、立体を目で捉えられていない可能性があり、斜視の疑いが診断される可能性があります。
③眼位検査
ペンライトで30㎝離した場所から両眼を照らし、角膜の反射位置に異常がないかをみて、斜視の有無をチェックする検査です。
また、人形などを顔の前で近づけたり遠ざけたりして見せ、眼の向きや動きが人形に集中し安定しているかを見て、斜視の有無をチェックします。
三歳児検診の初めての検尿検査について
検尿は、このような定期検査で初めての事で、子どもの検尿はどうやれば良いのか?と悩んでしまう所ですよね。
①オムツをしている場合
- 寝る前にオムツの中に、滅菌ガーゼをラップに覆った状態であてがっておく
- 朝いつも子どもが起きる時間の少し前に起こして、そのままトイレに座らせて、ママが採ってあげる
- 2の方法で採れなかった場合、ゴム手袋をつけて1の方法であてがった尿で湿ったガーゼを取り出し、尿を絞って容器に入れる
自治体によっては、オムツで採尿するための専用キットをもらえる場合もあります。
特に3歳になって間も無い検査の場合は、まだ夜のオムツが取れていない子が多いです。遠慮無く、自治体に相談してみましょうね。
②当日採れなかった場合
子どもの機嫌が良くなかったり、緊張から思うようにでなかったり…ということがあります。
どうしても当日採れなかった場合は、提出する時にそのまま伝えましょう。
後日持参するよう言われる事がほとんどですが、指定された日までに提出しないと検査できない事もあるので注意が必要です。
三歳児検診の聴覚検査について
三歳児検診では、聴覚検査も行い、中耳炎やおたふくによる難聴を発見するためのものです。
難聴は、聞こえにくいだけでなく、心や言葉の発達にも大きな悪影響を及ぼすので、早期発見が大切です。
検査は、事前に郵送された検査の用紙に従って、親が家庭で行います。
結果をアンケートに記入し、検診時にそのアンケートをもとに医師が問診と診察を行うケースが多いです。
発達障害の検査
三歳児検診で重点的にチェックするのが、発達障害です。
発達障害とは、コミュニケーションがうまくいかないなど、生まれつきの脳の障害です。
自閉症、アスペルガー症候群やトゥレット症候群などの広汎性発達障害や、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害などの種類があります。
発達障害は病気ではなく、脳の個性です。早期に発見して、子どもに伝わりやすい方法で自立に向けた養育をする事が大切です。
そのため、三歳児検診でコミュニケーションの様子や、こだわり、注意欠陥、多動性に関する聞き取りなどで、様子を観察するのです。
発達障害は、発見が遅れると自我の発達などにも影響して、引きこもりや不登校などの二次障害に繋がる可能性があります。
もし普段から悩んでいるのなら、この機会にしっかり相談する事をオススメします!
まとめ
三歳児検診に実際に息子を連れて検査を受けた内容や、注意点を挙げました。これから検診される方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
検診を受けた感想は、特に発達に不安がある訳では無いのですが、何をするのか、ちゃんとできるのかと不安でドキドキ。息子よりも親が緊張してしまいました。緊張しすぎて、子どもに聞かれた年齢を答えてしまって怒られたくらい。
でも、文字で見ると大変な検診に感じますが、やってみると案外すんなりできちゃいましたよ!
今のままの我が子を、そのままみてもらえば大丈夫です!
三歳児検診を控えているママは、緊張するかもしれませんが、子どもの成長を確認できる検診です。
ママが不安だと、子どもも不安になってしまいます。是非、自信を持って、検診に出かけて下さいね!