「肌の赤みの原因」を突き止める!頬・鼻に現れる赤みの正体は?
顔の中でも特に、おでこ・頬・鼻に現れる肌の赤みの原因はなに?のお悩みを、元美容アドバイザーの筆者がお答えします。
誤ったスキンケアや、乾燥が原因による赤ら顔、医師の診断が必要になるであろう原因もあります。その時は、早めに受診するようにしてくださいね。
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肌の赤みの原因…毛細血管拡張症(赤ら顔)
表皮の下の真皮層には毛細血管がたくさん存在し、この毛細血管が拡がったり縮まったりすることで肌の温度調節をしています。
ですが何らかの理由で、この毛細血管が拡がったままになって戻らなくなってしまう…これが毛細血管拡張症(赤ら顔)です。
毛細血管が拡張すると血液量も増加し、表皮を通して血管の赤い色味が透けて見えることで肌が赤く見えます。
そして拡張したまま戻らなくなっているため肌の赤みも消えず、ひどくなると毛細血管が浮き出ているように見えることもあります。
毛細血管拡張症になる「12の原因」
1.皮膚の薄さ(菲薄化)
毛細血管は表皮の下にある真皮層にあるものなので、通常なら肌表面から透けて見えることはないはずです。
ですが真皮層の上部である表皮が薄いことで、その下の真皮層部分も透けて見えやすくなってしまうのです。
特に鼻や頬などはもともと皮膚が薄い部分なので、顔の中でも特に赤く見えやすい部分になります。
①加齢
真皮層にあるコラーゲンやエラスチンなど、肌の弾力を保つものは加齢とともに減少していきます。減少すると、新たな肌細胞を生み出す力も衰え、表皮が薄くなっていく事に。
また肌のターンオーバーのサイクルも加齢とともに遅くなるので、表皮の最上部にある角質層もダメージを受け薄くなっていきます。
このように加齢とともに肌が薄くなるのは、真皮層と角質層の両方が薄くなってしまうことが原因です。
皮膚が薄くなりやすいのは加齢が原因でもありますが、誤ったスキンケアや、肌の乾燥などでも角質層がダメージを受けて薄くなってしまうので、若い人でも注意が必要です。
②女性ホルモンの減少
肌のうるおいやハリ、ツヤなどに影響を与える女性ホルモンの働きは28〜30歳ぐらいから緩やかに減少し始め、40歳ぐらいからガクッと減少。
40代後半くらいから肌内部が痩せ始め、更年期ぐらいから減少が加速、やがて分泌されなくなります。
生きている以上、減少をストップさせることはできません…。
しかしスキンケアなどの美容ケアをしっかり行い、健康で美しい肌を保つことで、皮膚を薄くなりにくくさせることはできます。
2.気温差・寒暖差、体質
気温に合わせて毛細血管が拡張や収縮をすることで皮膚の温度を一定に保っていますが、寒い地域では外と室内の気温差が激しいため毛細血管の拡張と収縮も激しくなります。
拡張と収縮を頻繁に繰り返すことで徐々に収縮力が低下していき、血管が拡張したままになってしまいます。
これにより皮膚の温度が下がらなくなり、肌が赤くなったままになってしまうのです。
北国地方の子供たちのほっぺがリンゴのように赤くなりやすいのも、寒暖差による毛細血管拡張症といえるでしょう。
またもともと体質として毛細血管が拡張していたり、毛細血管が多い人という場合もあります。
3.アルコールや香辛料の多量摂取
アルコールや唐辛子・スパイスなどの刺激の強い香辛料などは毛細血管を拡げる作用がありますが、摂取しすぎることで血流が滞り、血液が溜まりやすくなり、血管を拡張させたまま戻りにくくなってしまいます。
肌の赤みが気になる人はこうした食事はなるべく控えるようにしましょう。
4.加齢による毛細血管の老化
加齢とともに血管が老化することで、毛細血管の拡張と収縮をうまく繰り返す力が低下してしまい、収縮力が弱まってしまうことが原因です。
血流が悪くなるため、なんとか血液を流そうとして血管が拡張してしまうのですが、収縮力が低下しているので拡張したまま戻らなくなってしまうのです。
年齢とともに肌の赤みが強くなってきた…という場合は毛細血管が老化していることが原因かもしれません。
5.ニキビの炎症・赤いニキビ跡
ニキビが赤く炎症を起こしてしまうと、肌の毛細血管が拡張し、うっ血した状態になり、ニキビだけでなくニキビの周りの皮膚も赤くなってしまいます。
ニキビがたくさんできればできるほど皮膚の赤みも広範囲に広がるので、顔全体が赤みを帯びた「赤ら顔」になってしまいます。
ニキビによる赤ら顔はニキビができやすい部分、つまり皮脂分泌が多い部分でのみ起こりやすいという特徴があります。
眼の周りなどの皮脂分泌がほとんどない部分は赤くならずに、それ以外の部位が赤くなって、まるでパンダのような顔になってしまう…のも特徴の1つです。
そしてせっかく炎症がおさまりニキビが治っても、その後のニキビ跡が完全に消えるまでにある程度の期間がかかるため、その間にまた新しいニキビが発生し、皮膚の炎症が治まらなくなってしまい、血管が拡張したままの状態が続きます。
すると真皮や皮下組織にまでダメージを与え、色素沈着を起こし赤みとなって肌に現れてしまうのです。
また肌質によってはニキビが治っても肌の赤みは長く続いてしまう場合もあります。
6.刺激による色素沈着した赤み(赤くすみ)
紫外線や乾燥、摩擦などの外的刺激によって皮膚に炎症が起こり、炎症が長引くことで肌内部の真皮層や、その下の皮下組織までダメージを受けてしまいます。
このダメージによる色素沈着でできた赤みを「赤くすみ」といいます。
この色素沈着はどうして起こるのかというと、真皮の毛細血管がダメージにより壊されて出血が起こり、血中のヘモグロビンの色素が真皮や皮下組織に沈着してしまうことで肌が赤黒くくすんだように見えてしまうからです。
そして外的刺激を受けやすい肌は敏感で肌が薄くなっているため、肌内部の色素沈着が透けて見えやすいのです。
また肌が乾燥している状態が続くことで角質層に隙間ができてしまい、肌内部の水分蒸発が進み、さらに乾燥肌が悪化してしまいます。
そして少し刺激を受けただけでもすぐに炎症が起こるようになってしまい、赤みが生じやすくなります。
これから先は、私も色々調べた事を自分なりにまとめた内容です。
筆者は元美容アドバイザーで、美容クリニックでの施術スタッフでもあり、美容に関する知識は豊富に備えています。
私のいたクリニックはかなり美容系寄りのクリニックだったので、下記に挙げるような皮膚疾患をお持ちの患者さんというのは、ほとんど見かけたことがありませんでした。クリニックには皮膚科医や看護師は常駐していましたが、私は医者ではないので、下記の皮膚疾患は専門外です。
必ず医師の指導に従って、助言を受けるようにしてください。
7.皮脂による炎症(脂漏性皮膚炎、脂漏性湿疹)
過剰な皮脂分泌によって、肌の表面に余分な皮脂が溜まることで、酸化しやすい状態になります。すると酸化した皮脂と皮膚にある菌が反応を起こし、炎症が起きて肌が赤くなります。
主に鼻や小鼻の両脇、Tゾーンなどの皮脂分泌の多い部分に起こりやすいです。
ニキビもできやすい部分なので、ニキビの炎症により、さらに赤みが出やすくなってしまいます。
皮脂分泌は男性ホルモンが促進することから、一般的に脂漏性湿疹は男性が多いと言われているそうですが、女性もホルモンバランスの乱れなどにより起こりやすい皮膚疾患だそうです。
原因としては、ビタミンB不足、洗いすぎやすすぎ不足など誤ったスキンケアや洗顔、また生活習慣の乱れやストレスなどがあげられます。
脂漏性皮膚炎は治りにくい皮膚疾患とも言われているようですが、治療法が確立されているので完治しやすい疾患でもあるとの事。
原因がカビの一種であるマラセチアという菌であることがわかっているので、この菌に「抗真菌剤」という外用薬を使うことで炎症を鎮める治療を行うようです。
症状が重い場合、まず炎症を鎮めるため、抗真菌剤の前に炎症を強力に鎮めることができるステロイド外用薬を使用するのが、この治療との事です。
完治しやすいとは言え、治療開始から完治までの期間は顔の場合は2〜3週間ほどかかってしまうそうで、重症化する前に早めに皮膚科を受診した方がいいと思います。
8.肝斑
顔の一部分に左右対称にできる色素沈着です。
主に妊娠や出産など女性ホルモンの影響、また摩擦や紫外線などが原因にあげられています。
肝斑は赤みが伴うことが多いのですが、これには日常の洗顔やクレンジングなどでの強い摩擦の刺激によって慢性的に炎症を引き起こしているというのが大きな原因と言われています。
クリニックでのレーザートーニングなどの治療の他、トラネキサム酸を内服すると有効な場合があります。
9.精神的な緊張・動揺
本来、精神的なものが原因で起こる赤みは「赤面症」といって、基本的には皮膚疾患である毛細血管拡張症とはまた別のものではあります。
ですが毛細血管拡張症により肌が赤くなりやすいことによって、赤みが出やすいことを気にするようになってしまい、赤面症を引き起こしてしまうというケースもあるみたいです。
すると少し動揺したり緊張したりするだけでも毛細血管が拡張して赤みが生じやすくなり、毛細血管拡張症が悪化することもあるようです。
このように互いの疾患が引き金になり、悪化を引き起こし合うこともあるんですね。
10. ステロイド
長期間ステロイドを内服し続けたり、医師の指導に従わずに誤った外用をすることによって肌の赤みが生じている場合も考えられるそうです。
特にアトピー性皮膚炎のステロイド外用薬や、服用薬の副作用によって血流が滞ってしまい、肌に赤みが出ることもあるようです。
11. 酒さ
皮脂腺を増殖する毛細血管が増えることで炎症が起こり、顔の毛細血管の拡張による赤みや吹き出物などの症状がでる慢性炎症性疾患。
主に中高年に発症しやすく、長期にわたって少しづつ悪化しやすく、女性は閉経後に悪化しやすくなるそうです。
悪化させる要因には紫外線、アルコールや香辛料、運動、化粧品、また精神的な緊張などもあげられている…との事。状態に応じて症状は第1度から第3度までの段階があるようですね。
12. 血管腫
血管の奇形が原因で血管にできものができ、肌に赤みのあるアザができる病気。主に新生児や乳幼児によくみられるそうです。
生まれつきの場合がほとんどで、まれに加齢や外傷によってできる場合もあるとの事。心配な場合は、皮膚科を受診する事を検討してみましょう。
毛細血管拡張症(赤ら顔)はどうすればいいの?
毛細血管拡張症による赤みの改善は、皮膚科クリニックのレーザーや光治療などでも可能です。
ご紹介したセルフケアでの改善が厳しい場合、または重症化している場合は皮膚科を受診するようにしてみましょう。
治療を受けたからといってすぐに効果が現れるわけではありませんが、継続することで赤みが改善されていきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回肌の赤みのさまざまな原因を紹介しましたが、当てはまるものはありましたか?
肌の赤みは命に関わる深刻な病気ではありませんが、外見的にはとても深刻で悩ましい症状ですよね。
自分の赤みの原因は何かを明確にして予防や対処法、改善策につなげていってくださいね。