【子宮内膜症】の治療法は?薬?ピル?手術?内分泌療法?~妊活中の日記録~
子宮内膜症は10~30代の女性の中で最も多い婦人疾患ですが、実は原因はまだ解明されていないのが現状です。原因が明確であれば絶対これで治ります!となるのですが、今のところ仮説の上で治療を行っていくことになります。
しかし落胆していても辛さは改善されませんし、何とかこの痛みを和らげたいですよね。
今出来る治療を試して、予防やケアをすれば苦痛が減ることはもちろん、完治もあり得るのです!
治療の前に知識を得ておくと、医師の話も理解しやすいでしょう。是非読み進めてみてください。
なお子宮内膜症を自分で和らげるやり方も是非習得しておくのもお勧めです。
子宮内膜症とは?
先にも書きましたが絶対にコレ!という原因はわかっていません。
では私たちの体の中でどういう事が起こっているかというと…
エストロゲンという女性ホルモンが働くことにより、内膜が増殖したり剥離(これが生理ですね)を繰り返すのですが、子宮内膜症はその生理のメカニズムが子宮外で行われてしまっているということです。
ですから過剰なまでの痛みは、子宮外で剥離されることによる内臓の出血やそれを繰り返すことによる癒着のせいと言われています。
また卵管に経血が逆流することにより卵巣で内膜症が発症し悪化すると、チョコレート嚢胞(のうほう)*などになってしまうという説があります。
つまり、閉経すればエストロゲンは減り、子宮内膜症自体も進行が止まるということがわかります。
生涯、生理の回数が多いほどエストロゲンの分泌は増加するわけですから痛みも増していくということ、妊娠出産を多く経験すればその分生理が止まるので子宮内膜症抑制になるということなのです。
*チョコレート嚢胞(のうほう)とは…卵巣内にできる子宮内膜症で、卵巣内にできた袋に子宮内膜がたまっていく病気です。この内膜が酸化し、卵巣が溶けたチョコレートのように見えるため、こう呼ばれています。
子宮内膜症の治療【手術】
子宮内膜症の治療法は主に【手術療法】と【薬物治療法】に分かれます。
患者のライフスタイルによって医師と相談して決めていくことになるのですが、重度の卵巣嚢胞(のうほう)の場合は、破裂の危険もあるため即手術という選択になる場合があります。
手術は腹腔鏡手術と開腹手術がありますが、腹腔鏡手術の方が身体への負担が少ないので、病院を選ぶときはそこもチェックしておきましょう。
ただし内膜症は再発しやすい病気です。手術しても1年後にはまた同じ痛みに襲われるケースもあるんですね。
私の場合はピンポイントでダグラス窩(か)に内膜症が確認出来たため、手術も含めて治療を考えましたが、至る所に小さな内膜症が出来ている場合やまだ進行が進んでいないものは、手術のリスクの方が高いのであまり勧める医師はいないようです。
薬での子宮内膜症治療
薬物療法は鎮痛作用のある薬や点滴での痛みの緩和、あと内分泌療法というものがあります。
鎮痛剤はロキソニンやボルタレンが一般的で、かなり痛みが強い場合は座薬を処方されることがあります。
私はとにかく痛みがひどかったので、座薬の併用が常時でした。飲み薬よりも即効性があり、生理痛がひどくなる前にスタンバイしておけばかなり楽になります。
鎮痛剤は痛み出してから服用しても効くまでに時間も量もかかります。医者にも言われたのですが痛み予防として事前に服用するのが正しい使い方だそうです。
やみくもに飲んではいけませんが、私はこのやり方で劇的に変わりました。
ピル・内分泌療法での治療
内分泌療法はピルなどでホルモンを調整して行う治療で、妊娠の計画が無い人や、子宮内膜症の進行を緩和してから妊娠を希望する方に、有効な治療法です。
GnRHアナログ療法
- 人工的に閉経状態にするお薬(注射・点鼻薬)
- ほてり、のぼせ、肩こりなど更年期障害が副作用ででるというリスクがあります
- 半年使用して1~2年別療法、というスパンで繰り返し治療可能
- 金額15,000~20,000円
偽妊娠療法(低用量ピル)
- 避妊薬としても使われるお薬
- 副作用は人それぞれ(私の経験では胃のムカツキと頭痛にしばしば襲われました)
- 月経を止めてしまうため、生理痛の緩和には一般的によく使われます
- 金額2,000円前後
黄体ホルモン療法
- 子宮内膜症の治療薬で知られる
- 病変に直接作用する薬もあるため、推進する医師が多いのもポイント
- 服用中の不正出血がありますが、更年期障害のような副作用はあまりないのが特徴
- 私も服用しましたが、常に不正出血状態でした。
- ナプキン代はかさみましたが、痛みは随分緩和されました
- 金額10,000~15,000円
治療法の選択
急を要する症状で無い限り、医師は患者の生活スタイルや希望を尊重します。
私はその当時、仕事がかなり忙しく長期のお休みが難しかった事、結婚の予定がなかった事を考慮して、手術ではなくピルの服用を選択しました。
そして手術は再発するリスクや癒着問題もあるので、進行具合を診ながら医師とよく相談してトライしましょう。
痛みがひどく、鎮痛薬では生活に支障がある方は、いったん生理を止めて症状を緩和させてしまったほうが精神的にも楽な場合もあります。
内分泌療法は副作用に個人差はありますが、内膜症の痛みに比べたら我慢できる範囲です。少しお金はかかることと、妊娠を希望する時期を明確に医師に伝えることを覚えておきましょう。
妊娠を希望している方には内分泌療法は勧められないので、早く妊娠することが一番の解決法となってきます。
ですから不妊でなかったとしても、不妊専門の病院へ出向いてタイミング療法を行なってみることも一つの手だと思います。
どの治療法にするかは、家族や自分のライフスタイルと相談して決めていきましょう。
子宮内膜症の予防(生活の見直し)
子宮内膜症は進行もしますし、現在とは別の場所に新たにできることもあります。
今よりも痛みがひどくならないよう、出来ることはやってみましょう!
食事改善とサプリ
バランスの良い食事を心がけても、栄養士でない限りなかなか完璧になんてできないものです。そういう場合は野菜ジュースやサプリで補いましょう。特に鉄分は貧血予防にもなるので、内膜症の方にはおすすめです。
体温を高める
冷え性は基本的に万病のもとになりえます。私もかなりの冷え性なので、腹巻や厚手のモコモコ靴下は手放せません。生姜を使った料理や温かい飲み物を意識的に取ると随分違うので試してみて下さいね。
禁煙
以前は私も愛煙家でした。喫煙は子宮収縮に関係しているため、生理痛の痛みが増してしまいます。女性にとっては良くないことだらけですから、これを期に頑張って禁煙して下さいね。
睡眠と運動
ストレスフリーに大切な安眠と、新陳代謝を活性化させる運動は是非とりいれましょう。運動する時間がなかなか作れない方は、バスタイムを充実させたりストレッチをしたり、少しでも血液循環をよくすること意識してみましょう。
子宮内膜症の痛みにはこれが効く!
私はかなり痛みがひどく、救急車に乗ることもしばしばありました。
そんな私の痛み対策をご紹介します、覚えておくと結構、緩和されるので是非参考にして下さい。
ホッカイロを常備する
温めることで痛み(特に腰痛)は和らぎます。張るタイプの物を常に買い置きしておきましょう。夏場は無いことがあるので注意です!
出産呼吸法
痛みがひどいと口呼吸してしまい、過呼吸になったりお腹にガスが溜まりやすく余計な痛みを伴ってしまうことがあります。「2回鼻から吸って1回口から大きく吐く」これを意識的に繰り返しましょう。
目を閉じない
痛みのあまり目を閉じてしまうと、意識が痛みに集中してより強い痛みに襲われます。精神不安は痛みに大きく影響するので、目を閉じず意識を別のことに向けることがお勧めです。
まとめ
子宮内膜症は多くの女性を悩ませる婦人病で、近年の晩婚化でさらに症状の進行や不妊の原因になってしまうケースが増加しています。
妊娠する、手術する、薬物療法を試す、色々な治療法がありますが、医師だけに頼らず自分なりに対策をたて予防することも重要なことです。
生理痛には個人差があり、他人にはなかなか理解してもらえないこともありますが、毎月のこの痛みと闘いながら私も前向きに頑張っています。すぐに完治が難しいのであれば、上手に付き合っていくほかありません。
貴女にあった治療法を選び、痛みが少しでも軽くなるよう出来ることをやってみましょう。
◆20代から悩まされている子宮内膜症と闘いながら、不妊治療を進める私の奮闘日記録トップページは下記を確認ください。