子宮内膜症の根治【知っておきたい更年期障害・妊娠断念の弊害】~妊活中の日記録~
軽い子宮内膜症であれば、出産によって一時的に進行が止まった段階で、ホルモン治療により完治する場合もあります。
しかし通常の子宮内膜症は、毎月生理を止めても進行を遅らせるだけで、なかなか治らないのが現状で、他にこの痛みから解放される術はないものか…。
結論から言うと、子宮内膜症の根治は手術によって可能になり、根治手術にも様々な術式があります。
手術は将来妊娠を望まない女性に適しているため、妊娠を希望する年齢であれば準根治手術や、ホルモン療法で内膜症と上手に付き合っていくほかありません。
子宮内膜症の「根治」とは
子宮内膜症を根治するということは、子宮や卵巣を全て摘出するということです。
女性にとってはかなり勇気のいる決断になりますよね。
もうお子さんがいる方や、ホルモン療法などでは対処しきれない重度の内膜症を患っている方に、医師から勧められる方法です。
若くしてどうしてもこの選択を強いられてしまう症状なら、本当にお辛いと思います。
私は40代ですが、ちょうどこの選択に迫られている所です。不妊治療も頑張れる期間がありますからね。
子宮内膜症は症状が出てる部位だけ摘出しても、再発の可能性が非常に高い病気です。
生理がくる(エストロゲン分泌)ということは再発の可能性があるということだからです。
ですからエストロゲンの分泌を無くし、今抱えている内膜症を取り除くことが根治するということなんですね。
根治手術の陰に更年期障害の可能性
「根治手術」は子宮と卵巣を全て摘出することを言います。
「根治手術」のメリットは、卵巣を摘出することによりエストロゲンの分泌がなくなり、悪化したり再発の可能性が全くなくなります。
深部に内膜症が転移している場合は(ダグラス窩(か)など)痛みが多少残る場合もありますが、子宮の収縮による痛みが無い分、かなり楽になるそうです。
また婦人科系(卵巣・子宮)の癌にはならないこともあるため、この選択をする方もいらっしゃいます。
デメリットは、閉経後に起こる症状「更年期障害」が出てしまうことです。
「更年期障害」はほてりや発汗、動悸やうつ症状など人によって様々で、その度合いも異なります。
そのため「更年期障害」の治療を行う必要もでてくることを覚えておきましょう。
準根治手術とは?
子宮卵巣全摘出は、更年期障害や内臓下垂(子宮が無くなることにより起こる内臓の不調)が避けられません。
そこで、二つある卵巣のどちらかの卵巣もしくは、子宮のみを温存する術式もあり、これを「準根治手術」と呼びます。
「内臓下垂」は子宮が本来ある場所に周りの臓器が垂れ下がってきてしまうことを言うのですが、これはそれぞれの内臓の機能が低下してしまう為、なるべく子宮は温存する傾向がみられるそうです。
子宮のみを温存して卵巣を取る場合は、子宮を摘出することによって起こる「内臓下垂」は避けられますが「更年期障害」の症状は出てしまいます。
二つある卵巣のどちらか一つを残せば更年期障害にはなりません。
準根治手術で卵巣を残した場合、エストロゲンが分泌され排卵があるので、いくら子宮を取ったとしても内膜症の進行を抑えることは出来ない、または悪化する事もあります。その場合、ピルなどのホルモン療法を術後も併用するケースもあります。ただ、子宮を摘出していれば経血の逆流による転移の心配はなくなります。
非常につらい決断を迫られる内容ですが、結局、準根治手術では治りきらないということなんですね。
妊娠断念の弊害
お医者さんが聞くことは妊娠希望かどうかです。
ひどい内膜症を根治させることか、今後の妊娠を諦めるかの選択を迫られるのです。
これだけ医学が発展しているのに、何故、子宮内膜症はこんなにも選択肢が少ないのか。本当に声を大にして言いたいです。
命に関わる病気ではないけれど、女性にとっては身を引き裂かれるような選択です。
でも全摘出してしまいたいくらいつらくて、痛くて…私もずっと悩みながら過ごしていました。
「早く妊娠したい、子供が欲しい」という気持ちと「もうこの痛みから解放されたい」という気持ちを生理の度に行ったり来たりでした。
ただ迷ってるうちは決断しないことです。
私は1度痛みに耐えきれず、不妊治療をやめて全摘出を希望したことがあります。
夫に頼んで子供を諦めてもらい、主治医に相談したのですが、説明を聞いてるうちにやっぱり気持ちが揺らいだんですね。
結局、不妊治療を続けることを選んだのですが、勢いで決断して後悔する所でした。
根治手術か準根治手術か…
病院や医師によって病状の見解が違うこともありますから、悩んでいるなら、セカンドオピニオンを求めることも検討してみてください。
セカンドオピニオン(別の病院の医師に病状診断してもらうこと)は信頼している現在の医師に悪い感じもしますが、手術してしまった後では後の祭りなんです。
今はセカンドオピニオンが以前よりも大分浸透して、医師側から勧められることもあるくらい、よくあることなんですね。
ですから紹介状を書いてもらって別の医師に意見を聞くことも、納得する上で重要な判断材料になるのです。
セカンドオピニオンは病院によって保険適用外の所もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
子宮内膜症の治療は優先順位で変わります。
貴女が何を優先するかで根治にするか、保存にするか、または薬物療法を続けるのか、どちらにせよ決めるのは貴女自身です。
大切な人、ご家族とよく相談して、納得して決断していただけたらと思います。
そして悩んだ末の決断が今よりもずっと貴女が楽になれる方法だと信じて、前向きに頑張って下さいね!
◆20代から悩まされている子宮内膜症と闘いながら、不妊治療を進める私の奮闘日記録トップページは下記を確認ください。