秋の小説…おすすめ5選「読書の秋…読んでよかった、楽しめる本」
秋におすすめの小説を、5冊紹介しています。
読書好きで、ライトノベルと言われる短編小説から文豪、海外文庫…月30冊ほど読んでいます。これまで読んできた中で「読んでよかった、楽しめるおすすめの本」たちです。
秋の夜長に…「読書の秋」を満喫してみませんか?
秋に読みたい、おすすめの小説5選
秋におすすめの小説①
読書の秋…で一番に浮かんだのが、この小説でした。
本を読む、本は言葉、言葉と言えば辞書…。秋におすすめの小説「舟を編む」は、辞書を作るお話です。
私たちの生活の中で、なくてはならないものとしてある「言葉」。そのひとつひとつがどういう意味をもつのか、どういったふうに綴られていくのか…読んでいくと止まらなくなります。
言葉はまるで大海のように、ゆっくりと大きな波に攫(さら)われて、たゆたうばかり。
綺麗な言葉選びに、うっとりしてしまいます。
辞書をつくる話?と聞くと「えー?堅苦しいお話じゃないの?」や「専門用語とかたくさん出てきて、難しそう」「本を読むのに辞書の作り方を読むとか、面倒くさくない?」と思う方もいるかもしれませんが、不思議とすらすらと読めるので、ぜひこの秋に「言葉」の海を満喫してみませんか?
文房書房に務める主人公の馬締(まじめ)は、変わり者だと、営業部署では持て余されていました。
ですが他の人とは違う視点で物事をみることができる馬締は『辞書編集部』に抜擢されます。それは新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。
その仲間たちも、馬締と変わらず一癖も二癖もある人物たちで?
そんな個性的なメンバーの中で、たくさんの情熱と気持ちを詰めて、辞書『大渡海』の作成に向かう…。
だけども、予想外のことも多く…。果たして無事に『大渡海』は完成するのでしょうか?
映画化もされているので、本を読んだ後にぜひ映像もみてみてください!
秋におすすめの小説②
こちらは私の大好きな、恩田陸さんの小説。学生の頃に読んだのですが、涼しくなりだす秋にぴったりの青春小説です。
スポーツの秋、学生の青春も共に感じられますが、こちらは皆さんが普通に考えるスポーツとは違います。
スポーツと言えばバスケやテニス、マラソンなど、わりと身体を激しく動かすものを想像すると思います。ですがこの小説でのスポーツとは「夜に全生徒がそろって歩く」というものです。
普通のスポーツ小説では味わえない、だけどもその先がどうなるのかドキドキしながら読めるのところが、おすすめです。
高校生活最後を飾るイベント『歩行祭』。それは北高伝統の行事で、全生徒が夜を通して合計80キロを歩き通すというものでした。
その『歩行祭』を行うにあたって、甲田貴子はこっそりと胸にある決意を抱き、行事に向かっていた。
甲田貴子が三年間誰にも言えなかった秘密とは…?
学生達の思い出や親友との語らい、将来の夢、秘めた思い、今だから言える言葉。共に夜の道をただただ歩く…。学生たちの瑞々しい気持ちや、繊細さを書いたお話です。
在り来りのようで、どこか不思議な世界、そんな夜を貴子たちと一緒に歩いてみませんか?
こちらも映像化されていますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください!
恩田陸さんの小説には他にも、沢山のおすすめの小説があります。
本屋大賞を受賞した『蜂蜜と遠雷』もその1つ。
こちらはピアノに関わる学生から大人達の、才能と努力の結晶です。ピアノに興味のない人でも、彼等の奏でる音楽にきっと魅入られるでしょう。
恩田陸さんと言えば、不思議な世界や、芸術、青春…他にもいろんなお話を書かれているので、興味があれば読んでみてください。
秋におすすめの小説③
こちらは先程までとは違い、ミステリーテイストの小説です。
西尾維新さんは別作品の物語シリーズや、美少年探偵シリーズなど、コメディチックな作品が目につきがちですが、こちらは言葉遊びの面白さはもちろん、ミステリーもしっかりとしていて、キャラクターたちも魅力的な内容になっています。
シリーズも全9冊に、番外編7冊と長いので、秋の夜長に読むにはぴったりの小説です。
少し癖はありますが、言葉遊びがたくみで、シリアスで重たい話がある中でも、しっかりと推理をするところが特にお気に入りです。
キャラクター同士の関係性や、シリーズを通して読者へと問いかける問題など、小さな謎が散りばめられています。
また主人公の戯言遣いの名前が「ぼく」と統一されており、主人公の名前を、ヒントから読み取るのも楽しみですよ。
ちなみに私は幾度となく読み返していますが、未だに主人公の「ぼく」の名前がわかりません(笑)でも読めば読むほどはまりこんでいくので、おすすめです。
ライトノベルですが「ラノベでしょ?」と油断すれば、知らず知らずに世界にどっぷりつかっちゃうかも!?
クビキリサイクルはOVA(オリジナルビデオアニメ)として、アニメ化されています。化物語と同じく制作会社がシャフトさんなので、世界観を壊さずにみることができるので、こちらもよければ。
「ぼく」こと「戯言遣い」のいーちゃんは、冴えない大学生。工学の天才である「青色サヴァン」の少女、玖渚友とともに絶海の海へと招かれます。
といっても招かれたのは玖渚友を初めとする「天才」女性たち。
「科学、料理、占術、工学、絵画」の各ジャンルの天才を招待した瞬間、不思議な事件が起きる。
完璧な密室で起きてしまった殺人事件、なぜ殺人とわかるのか……?それは、その発見された彼女にはあるべき「首」がなかったのだーー。
孤島という密室の中、首なし死体という恐ろしい事件、その犯人は集まった中にいる?
戯言遣いと、青色サヴァンの少年少女は、この謎を解き、天才たちの凶行を「証明」することができるのでしょうか。
こちらの戯言シリーズは唯一、完結している作品になります。(番外編はまだ続刊中ですが)
似ている作品としては、ドラマにもなった『掟上今日子の備忘録』シリーズもありますが、そちらよりも戯言シリーズの方がミステリーとして完成されているので、おすすめです。
掟上今日子シリーズは、ドラマにもなっているので、そちらもよければ。
秋におすすめの小説④
こちらは食欲の秋!美味しい食べ物がたくさんでてきます(笑)
でもただの美味しい…ではなく、荒んだ心をそっと包んでくれるような、暖かい料理ばかり!
夜中にしか開かないカフェ。辛いことやしんどいこと、苦しいことがあった時、こんなカフェがあればいいのになぁ、と思うお話です。
登場人物はみんなあったかいわけではなく、もちろん、嫌な人もでてきます。ひどい人もでてきます。
だけども、根っからの悪い人は、ほとんどいません。嫌な気持ち、嫌な人になるにはそれなりの理由があるんです。誰もがみな、嫌な人になりたくてなっているわけじゃない…。
この本を読んだ後、周りの人の「いい所」が見つかるかもしれません。三シリーズありますが、どのお話もほっこりとできます。
寒くなる秋に、ほっかほっかと心が暖かくなり、美味しくて健康的なご飯に、きっとお腹も心も満腹になりますよ。
元エリートサラリーマン、今はド派手なドラァグクイーンのシャール。そんなシャールが、夜にだけ開くお店があります。
お昼は「ちょっと訳ありのお店」が、夜になればカフェに早変わり??
そこで提供される食事は、身体にも心にも優しく、ふわりと溶け込む、暖かいものでした。そこに訪れる、色々な訳ありのお客様たちを、シャールの料理と言葉が優しくほぐしてくれます。
訪れる人達がどんなふうに変わっていくのか、どうあたたかくなるのかは、読んでからのお楽しみです。
秋におすすめの小説⑤
こちらも私の大好きな作家さん、辻村深月さんです!こちらは心がぎゅっと苦しくなる、切なくて、涙無しでは読めないお話です。
亡くなった人と一度だけ、会わせてくれる人がいる。会うことができたら、あなたはどうしますか?
会いたい人、その人の中にも、純粋な気持ちだけで会いたいわけではなく、人間味があるお話でした。それぞれに思う気持ちは違って、会いたい意味も違う、不思議なお話。
もし私が誰かひとり「亡くなった人と会えるとしたら…」いったい私は誰に会いたいと思うのでしょうか?
この本を読むみなさんは、いったい誰を思い浮かべるのでしょうか?
読み終わった後、みなさんがどう感じ、どう思うのか、きっとそれは心を震わせるものになると思います。
あなたが会いたいと思う人は誰ですか?
一生に一度だけ、亡くなった人と出会わせてくれる「使者」ツナグ。
ツナグを仲介して、亡くなった人が見える。突然死をしたアイドルに、癌で亡くなった母へ、喧嘩したまま亡くなった親友、失踪した婚約者…。
再会を望むのは生者の傲慢かもしれない、ほんとうはいけないことかもしれない。相手は会いたいなんて思っていないかもしれない…。
だけども、会いたいから、伝えたいから、その思いをのせて、死者と再会を果たす…。
四つの再会を果たしたその時、浮かび上がった事実とは?
使者(ツナグ)とはいったいなんなのか、最後に浮かんだ事実とはいったいなんなのか…。実際に読んで、感じてみていただければと思います。
まとめ
読んでよかった本…の中から、秋の夜長におすすめしたい小説を5選紹介しました。
- 舟を編む
- 夜のピクニック
- クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
- マカン・マラン
- ツナグ
私が思う、秋にぴったりの小説…読み応えがある本、秋の落ち着いたイメージ、学園がテーマ…
秋…夏の暑さから解放され、長い夜をしっぽりした雰囲気で過ごしてくださいね。