体外受精のスケジュールを知ろう!【自然周期・刺激周期】
体外受精のスケジュールってどういう流れなの?痛みはあったりするのかなぁ…不安だらけですよね。
少しでもその不安を払拭できたらと、高度不妊治療と言われる体外受精の内容とスケジュールを、私の体験談も交えつつ、わかりやすくご紹介していこうと思います。
体外受精を受けるにあたって、病院などで説明会に参加するよう指示が出ますが、私の率直な感想は「難しい・・・全くもってチンプンカンプン」でした。多人数参加ということもあって、いちいち質問もできず、とても不安だったのを覚えています。
ここでは掘り下げて説明していますので、ご安心くださいね!
Contents
体外受精の大まかな流れ
まず、体外受精の大まかな流れをご説明します。
個人・病院差が多少はありますが、基本的な流れは変わりませんので参考にして下さいね。
その①体外受精をすると決めた次の生理日2日目に来院 ↓ その②排卵までの段階で卵子を成熟させる準備期間、何回か来院が必要 ・2週間~卵子の大きさや数が適正値になるまで排卵抑制剤などを使って行う ↓ その③採卵(卵子を採取する)の手術&旦那さんの採精 ※ここまでで生理日から最短15日です。 ・特に手術で問題が無い限り日帰り ↓ その④受精卵が無事出来たら胚移植(受精卵を子宮に戻す)の手術 ※採卵より2日後、ここまでで最短17日です。 ↓ その⑤妊娠判定日 ※胚移植より14日後、妊娠していればここで妊娠4週目となり、 最短31日です。
最短で1ヵ月を体外受精のために費やす期間ということになります。
準備期間では注射の為、何日も来院することがあり、フルタイムの仕事を持っている方は正直大変に感じると思います。
胚移植後は一応安静に、と言われますが多くの方は通常通りお仕事をされているのが現状のようですね。
次に、準備期間について詳しく解説していきます。
準備期間に行う自然周期と刺激周期の違いを把握しよう
体外受精の準備方法として、自然周期と刺激周期があり、その中でもさらに2種類に分けられます。
細かく分けると、体外受精の準備段階では4つの手法に分かれるということです。
まずその違いからご説明します。
自然周期(自然周期・自然周期変法)
〇自然周期
「自然周期」は全く薬を服用せず、卵の大きさやホルモン値が適切な値になったら採卵する手法です。
一番体に負担が少なく毎周期行うことが可能です。
〇自然周期変法
「自然周期変法」はクロミッドという排卵のシグナルを遅らせる内服薬を飲みます。そして卵の数を増やしたり大きくしたりするHMG注射を打ち採卵する方法です。
自然周期よりも妊娠率が上がりますが、クロミッドの副作用で子宮内膜が薄くなり、着床しにくくなる可能性もあります。
私は当初、自然周期で行うと決めたのですが、卵子が大きくならなくて急遽、変法の方へシフトしました。
このHMGという筋肉注射をお尻に打つのですがこれが痛いんですよね・・・。
もちろん我慢できる痛さなんですけど、注射を終えた患者さんたちがお尻をさすりながら「イテテテ・・・」と言って診察室から出てくるのですが、私もそんな内の一人でした。
刺激周期(刺激周期と刺激周期変法)
〇刺激周期
「刺激周期」はまず、自然排卵を抑えるため注射や鼻薬を行います。
そして卵子が適切値になるまで毎日HMG注射(卵の数を増やしたり大きくしたりする)を打ち、頃合いを見てHCG(排卵させる注射)を打ちます。
たくさんの卵ができやすいため、妊娠成立は自然周期より高いですが、卵巣に負担がかかるので2~3ヵ月に1回が目安です。
〇刺激周期変法
「刺激周期変法」は刺激周期と違ってHCG注射(排卵させる注射)でなく、ガニレストやセトロタイドという注射を打ちます。
HCGによる卵巣過剰刺激症候群という副作用を起こさないことが利点ですが、高価な薬で(1本7,000円~)と、刺激周期より金額が上がります。
ただ卵巣による負担は変わらないので2~3ヵ月に1回が目安です。
4つの手法の中で断トツで妊娠率が高いことが特徴です。
またたくさんの受精卵が期待できるため、凍結保存を希望する方はこの手法を取ります。(自然周期でも複数個良質の受精卵ができれば凍結保存は可能です。)
どの手法も排卵までに卵を大きくし、なるべく複数個、採卵できるようにする準備期間となります。
せっかく大きくなっても排卵してしまったら、体外受精できないので、医者は採卵するまで卵子の成長とにらめっこということになります。
自宅で排卵抑制剤を鼻に点鼻したり、夜遅くに注射のために来院したりとなかなか忙しい準備期間です。
来院できない人は自分でHMG注射をすることになるのですが、来院するよりも高くなってしまう場合もあります。
自分のライフスタイルや体外受精の許容回数などを考えて手法は決めましょう!
わかりやすい!体外受精準備期間手法別スケジュール表
これは病院や医師によって多少のずれがあります。
タイムスケジュールは私の体験を元に作成しており、流れはほぼ同じですが来院回数などには差がありますので、予備知識として頭に入れておくといいと思います。
作成者:美コツ編集部(わかな)
体外受精(採卵・受精・胚移植)当日の流れ
排卵・受精の流れ
採卵手術は全身麻酔で行います。卵胞に針を刺して卵子を取り出すので、静脈麻酔をして無痛状態で採卵してもらえるわけです。
採卵自体さほど時間はかかりませんが、麻酔から目覚めて意識がはっきりするまで2時間程かかります。
その間、旦那さんに採精してもらい培養室にて受精が行われるのです。
私の場合、麻酔が切れる2時間の間に主人が採精することになったのですが、主人のことを思うと何とも居たたまれない気持ちになりました。
個室に用意されていたのはエッチなDVDとプレイヤー・・・。
赤ちゃんのため、幸せのため!と言えど男性陣にしてみたらなかなか辛いものがあるのではないでしょうか。
見た瞬間2人で顔を見合わせ「・・・・・。」私は「主人に優しくしよう!」と思いました。
ちなみに採卵日お仕事の都合などで来れない旦那様もいますよね。
自宅から持ってくる方もいますが、やはり生モノですからフレッシュなものでないといけないようです。
時間指定などもありますし、妊娠に少しでも影響があるようならやはりお休みを取ってもらった方が賢明だと言えます。
受精卵が多く取れれば・・・
受精卵が多ければ、今回の体外受精が妊娠に至らなかった場合、次回の体外受精用に取っておくことができます。
これが凍結保存です。凍結保存にはもちろんプラスで料金が発生してしまいますが、メリットとして、良質な受精卵を取っておけるということと、凍結卵での胚移植になれば12~15万円程(目安:通常30~45万円程)で体外受精が行えます。
術前に凍結についての希望の有無を聞かれることが多いので、予め旦那様と話し合っておくといいでしょう。
胚移植の流れ
上手く受精卵ができれば、採卵2日後に胚移植となり、胚移植は採卵と違い、無麻酔で行われます。
意識も痛みも感じるため、正直私はこちらのほうがドキドキしてしまいました。
ただ胚移植自体はまったく痛みは無いのです。子宮の一番着床しやすい所を見つけて、先生がゆっくり受精卵を置くだけです。
しかし痛くてびっくりしたことが1つだけありました。
痛くないと聞いていた私は正直「なんでやねん!」と突っ込みたくなったほど。
それは移植前の膣の消毒です。
脱脂綿的なものに消毒を浸して(まずこれがすごく冷たい)、奥の方までゴリゴリ消毒するんです。
「先生、めっちゃ痛いです。」たまらず声に出してしまいましたが、バイ菌が入ったら大変ですものね。我慢我慢の時間でした。
胚移植後はベットで約3時間ほど安静に寝転がっているよう指示がでます。
着床しやすいようにするためですね。
子宮の向きによって仰向けうつぶせの違いがありますが、この3時間はとにかく動くいてはいけないということです。
また手術だからといって、入院ではないため、特に用意するものはありませんでした。テレビや漫画など暇つぶしの材料を持っていくのもよし、私はひたすら寝てました。
あとは無事妊娠することを願って2週間祈りながら過ごします。
着床を手助けするお薬や膣薬などを使い、無理せず妊娠判定日を迎えましょう。
まとめ
体外受精はとてもデリケートな手術です。卵子の大きさ一つで手術日が変更になったり、料金が変わったりします。
ただ体外受精の全貌が見えていれば、備えることもできますし、心の持ちようも違います。
私は色々なサイトを見ましたが、なかなか体外受精に対する不安はぬぐえませんでした。お金のこと、時間、そしてどんな手術なのか。
この手記が少しでもお役に立てればと思います。
でも一番いいのは、図々しくても病院の医師にどんどん質問することが大切。聞いて悪い事なんて、一つも無いのですから。