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【体外受精の助成金申請方法】私はこうして30万円受け取りました!

 2017/01/21 不妊治療
 

不妊治療を始めるにあたってまず心配なのがお金のことですよね。

体外受精を予定、検討しているけど、助成金はいくらもらえるんだろう…。

実際に体外受精を経験し、助成金30万円を受け取った筆者が、申請方法や、申請のタイミング、実際にいつもらえるのか・・・、そんなちょっとややこしい助成金にまつわる疑問を解説します。

大事な医療費控除についても紹介していますので、最後までお見逃しなく!

まずは、あなたの不妊治療が助成金の対象になるかどうか、確認しましょう。

不妊治療の助成金対象は「特定不妊治療助成金」だけ

まず不妊治療を始めたからといって、すべての治療が助成対象になるわけではありません。

「特定」というだけあって、高度不妊治療以外は、いくらお金がかかってもその金額には助成金はおりないのです。

助成金が申請できる不妊治療

1.体外受精(実費費用平均40万円)

2.顕微授精(実費費用平均: 体外受精費用+15万円)

3.凍結胚移植(実費費用平均20万円)

4.男性不妊治療

・精巣内精子生検採取法/TESE(実費費用15万円)

・精巣上体内精子吸引採取法/MESA(実費費用10万円)

・経皮的精巣上体内精子吸引採取法/PESA(実費費用10万円)

 

※実費費用平均には病院によってかなりの差があります。※原則男性不妊治療のみの場合は助成対象外

タイミング療法や検査で何万円もかかったとしても、上記のような特定と決められた治療以外は、助成金の対象外となってしまいます。

上記のような特定不妊治療の対象治療では、実費費用の治療を何回も行うことにより金額がかさんでいくことが大半で、これが不妊治療が高額と言われる理由です。

それに対して、助成金がおりれば、患者としては不妊治療を続けて行く上でとても助かる制度なんですね。

 

体外受精の助成金はみんなもらえるの?

助成金は誰でも受け取れる訳ではなく、下記の条件を満たす必要があります。

1.特定不妊治療を受けた(これから受ける)方

2.所得制限: 730万円未満(夫婦合算)

3.申請する各都道府県内に住所がある方

4.特定不妊治療の治療開始日が43歳未満の方

平成28年4月より新制度へ移行され、初回の助成金額が上がりました。

しかし、年齢制限や回数など対象への細かい数字にも変化があり、新制度では新たに、④の年齢制限が設けられてしまいました。

以前は年齢制限が無かっただけに、高齢出産の女性には手厳しい現実です。

体外受精などを行っても出産に至る確率が極めて少ないのが年齢制限を作った理由だそうで、その分金額や年間助成回数を多くしたようですね。

 

私の助成金額はいくら?

国が定める、体外受精の助成金額

●初回: 30万円

●2回目以降: 15万円

●2回目以降: 凍結胚移植・受精に至らなかった場合、7.5万円

!ただし…助成金のサイトや申請書類に書かれている<治療ステージA~H>の中で、自分はどの治療内容なのかで助成金額が決まります。(初回・2回目以降共に)

特定不妊治療助成金は「国」が定めている制度です。

ここで間違えやすいのが、お住いの「都道府県」「市町村」とは別と考える方がいること。

しかし正しくは、簡単に言うと、都道府県・市町村は、国に対して助成金を申請する為の窓口的存在であるという事です。

助成金額決定の基準であるA~Hの治療ステージの設定は全国共通ですが、実際には、助成金額は各都道府県、各市区町村で差があり、国が設定する助成金額より高い事もあります。

もしお住いの都道府県で、国が定めている助成金額や対象制限が違う場合は、国が定める助成金額に、都道府県もしくは市町村が独自に金額をプラスしたり、制限の緩和を行っている…という事です。

 

治療ステージ

A: 新鮮胚移植を実施

B: 凍結胚移植を実施

C: 以前に凍結した胚を解凍を実施

D: 体調不良により治療の目途が立たず終了    

E: 受精できない、または異常受精等で中止

F: 採卵したが状態の良い卵が得られないため中止

G: 卵胞が発育しない、または排卵終了のため中止

H: 採卵準備中、体調不良により中止

このように、特定不妊治療にはステージがあり、該当するステージ(アルファベット)によって、助成金額が30万円(初回のみ)になったり、15万円、7.5万円になったりするのです。

 

東京都の助成金例

  • 治療ステージA(新鮮胚移植を実施)の場合

初回30万円、2回目以降20万円。

  • 治療ステージB(凍結胚移植を実施)の場合

初回30万円、2回目以降25万円もらえます。

国の定める助成金額は15万円、7.5万円なので、国の助成金額とはかなりの差がありますよね。これが、東京都では「都が国の助成金額に+αで助成金を出している」という事です。

 

旭川市の助成金例

  • 治療ステージD(体調不良等により移植の目途が立たず、治療終了)の場合

→初回30万円、2回目以降15万円もらえます。国の助成金額だと7.5万円なので、旭川市でも国の助成金に、市の助成金が上乗せされていますね!

 

このように助成金の基本(対象年齢などの対象範囲)は変わらず、金額や回数などを上乗せしてくれるところもあるので、まずは近くの役所などで聞いてみることをお勧めします。

ちなみに私の住んでいる市では基本通りでした…。

「人口が少ないんだから、もう少し子作りに配慮してくれ!」と思いましたが、頂けるだけありがたいということですね…!

 

体外受精の助成金は何回もらえるの?

初めて治療を受ける時の年齢によって、何回、助成金を受け取れるかが異なります。

そして下記の基準は、初めて助成を受けるのが、平成28年度以降の方が対象です。

表

※注意!平成28年より前に、体外受精の助成金を受けた人は助成回数が異なります。

 

極端な話、例えば、40歳未満の人で、1年に6回体外受精を行った場合、助成金対象の治療ステージにより、助成金が6回発生します。

しかし、43歳になるまでに受けれる助成金回数は6回までなので、翌年以降も体外受精を行った分は助成金は出ません。

逆に、平成28年以降に1度、体外受精を受け、その後、1年は体外受精を行わなかった場合、43歳になるまであと5回、体外受精による助成金対象になる…という事です。

医師つまり、初回の体外受精治療を行った時の自分の年齢によって、43歳になるまでに受け取れる助成金の回数が決まり、その回数は43歳になるまでなら、どう消化しようがOKという事です。

 

助成金の申請方法

助成金を申請する前に、まず用意するものがいくつかあります。機関により多少異なりますが、大体は同じなので参考にしてみて下さい。

必要書類

  • 保健所でもらう書類

  • 申請書…自分で書く証明書
  • 受診証明書…病院で書いてもらう証明書

助成金申請は、保健所で行います。保健所は役所の中に設けてあったりと、その地区で違います。

  • 病院でもらう書類

  • 助成対象となる治療の領収書&明細書

特定不妊治療期間の合算計になるので、病院に前もって伝えておくと間違いがありません。

  • 役所でもらう書類

  • 住民票(続柄記載のもの)
  • 戸籍謄本
  • 夫婦の所得・扶養・課税証明書

役所でもらう書類はすべて、発行3ヵ月以内のものです。

 

申請のタイミング&いつもらえる?

必要書類は、特定不妊治療を始める前に、保健所・役所でもらっておきましょうね!

そして、申請のタイミングは、治療が終わった後です。申請の一連の流れは下記の通りです。

申請の流れ

①お住いの都道府県、もしくは市町村の機関(保健所・市役所など)で助成金の必要書類をもらう

②通っている病院に受診証明書を提出

③治療が終わり、証明書・領収書をもらったら早めに保健所へ申請

④助成金が口座に振り込まれる

振り込みの期間は各機関で差があるようです。私は2週間程で振り込まれました。振り込みがきちんとされているか、要確認!ですね。

 

助成金と医療費控除

不妊治療をすると、年間で何十万円とかかってしまいます。

確定申告で医療費控除の申請を行うと、少しお金が返還されますが、助成金をもらった場合、控除対象から差し引いて計算しなければいけません。

年間医療費が150万円かかったうち、助成金を3回申請した場合、その助成金額合計をマイナスします。

150万円-助成金額A

A-10万円(※所得額により変動)×5%(所得額によっては10%と変動)=年末調整で戻る金額

支払った金額に比べれば微々たるものですが、もらっといて困ることはありません!

助成金対象外の不妊治療にも有効ですから、領収書の保管は忘れずにしておきましょう。お薬代や交通費も対象になりますよ!

 

大体の目安ですが・・・

私は年間医療費が助成金を除いて38万円で、戻ってくるお金は2万円弱という計算になりました。

所得が多ければ控除額は少なくなり、低所得なのに医療費が多ければ、その分戻ってくる金額も大きくなります。

 

まとめ

まとめると、

  • 助成金を受けるには、条件がある
  • 年齢によって助成金の受け取り回数が変わる
  • 治療ステージによって、受け取れる金額が異なる
  • 申請の必要書類は治療前に用意する
  • 治療終了のタイミングで保健所へ提出
  • 助成金が振り込まれた年は医療費控除を行う

助成金の書類って文字が多くて、耳慣れない単語もたくさん出てきます。

私は何回か市役所や厚生労働省に電話をかけ、説明してもらいました。だってお金って大事ですもの!わからないままにしておくと損することもあるんです。

ちなみに不妊治療とあって、助成金担当の方は女性が多いですから質問もしやすいと思います。

助成金を有効活用して、計画的に不妊治療をしていきたいですね。

 

 

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ライター紹介 ライター一覧

わかな

一生懸命努力して頑張れば結果がついてくる、そう信じ不妊治療を行っている一人です。30代半ばまで結婚願望も子供を産むことに関しても本当に希薄で、主人と出会うまで不妊というものに対して全くの無知でした。無知なりに困ったこと、悩んだこと、学んだことが少しでも多くの方たちの参考になればと願っている次第です。
また、恋愛漫画は趣味の領域を超えて読破しています。

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