保育園のトイレトレーニング。やり方・開始時期を保育士が解説!
保育園のトイレトレーニングについて。やり方や開始時期を、元保育士の筆者が紹介しています。
「保育園のトイレトレーニングはいつから開始?」入園前に気になる事の一つではないでしょうか?
多くの保育園は、2歳児からトイレトレーニング開始!その進め方や、保育園任せにして、トイレトレーニングが成功しない…とならないように、保育園でトイレトレーニング開始となった時の、家での注意点もあります。
保育園がトイレトレーニングしてくれない…と思うなら、そこには何か理由が。どうしてしてくれないのか、その答えも見つかるかもしれません。
Contents
保育園でのトイレトレーニングのやり方
保育園で本格的にトレーニングを開始するのは、2歳児クラスが多いと思います。
理由は、パンツに移行する目安が「3歳の誕生日を迎えるまで」が望ましく、パンツに移行しやすい時期とされているから。
ただあくまでも目安で、3歳児クラスに進級してから移行できたという子もたくさんいますけどね。
1.トイレを習慣づける
まず、ほとんどの園では、
- 「トイレ」という環境に慣れる
- 「便座に座る」ことを習慣付ける
の為に、活動の合間にトイレに誘います。(この習慣づけは、まだオムツの1歳児から開始の園が多いと思います。)
オムツの子・トイレトレーニングを開始してパンツになった子、関係なく、トイレを習慣化します。
パンツを脱いで便座に座るということも立派なトレーニング!座ることでタイミングが合って排泄でき、それが自信につながることもあるので、とりあえず座らせるのです。
私の勤めていた園もそうでした。
トイレに誘い始めた頃の子供たちは「トイレが何をする場所なのか」もわからない状態ですが、とりあえず保育士に促されるままズボンとおむつを脱いで、便座に座ることからトイレトレーニングスタートです。
トイレを習慣づける為、保育園では決まった時間に、トイレに誘います。
主に午前の主活動の前や、午睡前後に誘うことが多いでしょう。
基本は2,3時間おき*にトイレに行くように保育士側から誘うことが多いかな?と思いますが、尿意を感じて自分から言える子は、本人から言うまで待つ時もあります。
*パンツに移行してから、あまりにも失敗してしまう場合には、もう少し短い間隔で誘うこともあったり、個人差があります。
ちょうどトイレの時間に排尿のタイミングが合えば、おしっこをすることができる子もいます。
もし出た場合には「おしっこ出たね、偉いね」と、とにかく褒めてあげます。
これを繰り返すことで、
- 「ここはおしっこをする場所なんだ」
- 「おむつではなく、ここでするんだ」
という意識が少しづつ持てるようになってきます。
ちなみに・・・1歳児クラスから入園する場合、オムツでも「トイレの習慣化」は実施する園が多いと思います。1歳児であっても、月齢が高い子であれば、1歳児クラスのうちにパンツに移行できる子もいます。
2.オムツから、パンツへ
2歳児クラスから本格的に、トイレトレーニング開始。おむつから、パンツに移行です。
どうして2歳児クラスから本格的に開始なのか…それは、2歳児になれば成長の面でも、膀胱におしっこを貯められる時間が長くなってくるからです。
でも「一斉にオムツをやめて、パンツに!」という訳ではなく、排尿間隔が2時間ほどあるか、把握する事から始めます。
2歳児はまだ月齢差が大きく、4月生まれと3月生まれの約1年違いはかなり大きいので、一斉にトイレトレーニングを開始する事はありません。
私の保育士時代には、今どれくらいの排尿間隔なのか、子供達一人ひとりチェック表で把握。表を作り「見える化」することで、他の担任にも共有することができるというのも、目的の一つです。
3.トイレトレーニング開始
1回の排泄から次の排泄まで2時間間隔が空いている子から、パンツに移行、本格的にトイレトレーニング開始です。
ただトイレトレーニング開始…とは言っても、やり方はこれまでのトイレの習慣化と同じです。
2,3時間おきに、トイレに誘い、パンツにも慣れさせます。
パンツになりたての子は特に、おしっこを我慢している様子はないかなど、保育士が気にしているので、安心してくださいね。
初めのうちはパンツの違和感からおしっこの回数が多くなり、何度も失敗しますが、段々慣れてくるとトイレでできるようになってきますよ。
おまるは、自宅でも園でも使用したことはありません。
おまるという一段階を加えてしまうと、そこからまたトイレの便座に座ることにも慣れさせないといけなくなるので。
自宅ではトイレの便座の上に取り付ける、子ども用の便座をおいています。
■男の子の場合・・・
私の勤務していた保育園では、2歳児クラスの部屋から立ち便器があり、男の子は立ち便器で排泄するように促していました。
ただ、今まで座ってしていたのに、いきなりの立ち便器で排泄できない子もいるので、個々の様子を見ながら、嫌がるようであれば座って排泄をさせます。
★トイレトレーニングが苦手な子は…
相手は子どもなので「トイレに行くのすら嫌な子」もいます。とにかく、トイレに行くのが嫌な子、トイレが怖い子、トイレの中で遊んでしまう子、本当に様々です。
トイレはどうしても狭い空間になるので嫌い、怖いという子が多いので、
- トイレの中に動物の壁面を飾る
- シール帳を作成し、トイレに行けたらシールを1枚貼る(▼)
取り組みをしながら、少しづつトイレに慣れることができるように保育園も工夫し、進めていくのです。
これは、家でもできる工夫ですね♪
保育園でトイレトレーニング開始後の【家での注意点】
家での注意①
保育園でのトイレトレーニングが始まると、家でもオムツはなしです!
良くないのは、保育園ではパンツに移行したのに、失敗が多いという理由で、またおむつに戻すこと(特に自宅で)。
これをしてしまうと、次またパンツにしようとした時に、子どもが失敗を思い出して嫌がってしまうことがあり、余計にトレーニングが遅くなってしまいます。
保育園ではパンツでトイレトレーニングをしているのに、家では一度もトイレに誘わず、ずっとおむつ…というやり方では子どもも混乱しますし、一向に進まないのです。
保育園では、保育士が勝手にトイレトレーニングを開始する事はありません。
保護者と保育士が連携を取って進めていく必要があるので、双方の合意があって、スタートします。
■保護者から相談を受けて、始める場合
■排泄の間隔があいてきて、今がベストなタイミングと保育園側から提案をする場合
トイレトレーニングは保護者の協力があって、成功するのです。やると決めたら、腹をくくりましょう!
家での注意②
焦らない・怒らない事!!
トイレトレーニング開始したては、どうしても失敗が多いです。
例えトイレトレーニング中に失敗しても、怒りをぐっとこらえ「失敗しちゃったね、次頑張ろうね」と一言言ってあげるだけで、子どもの気持ちが安定します。
おむつでは排尿間隔が空いていても、いざパンツにすると、子どももパンツを履いた違和感で、どうしても回数が多くなってしまう子も…。
失敗したらパンツとズボンを洗濯をしたり、着替えさせたり、時には上の服まで濡れて全身着替えをしなければならなくて…。カーペットやマットにしてしまったら、それも洗う必要があるので、とにかく大人の負担もとても大きくなります。
仕事をしていたり家事で忙しいのに、トレーニングを開始したことでさらにやるべきことが増えるとイライラ…「どうしてトイレでできないの!?」と怒りたくなってしまう気持ちも、とてもよくわかります。
初めのうちは「ほとんど失敗する」くらいな気持ちでいてください。
トイレトレーニングのパンツの選び方
パンツのおすすめは、薄いタイプのもの。
薄いタイプであれば、おしりに濡れた感触がすぐに伝わり、子供も失敗に気付くと同時に、漏れた不快感を感じます。(大人でも服が濡れてしまうと気持ち悪く、不快に感じますよね!)
この「不快感」がトイレトレーニングではとても大切で、子どもは不快感を味わうことによって「パンツにおしっこをしたら気持ち悪いんだ、だからトイレにするんだ」ということを学びます。
なので薄い層のパンツの方が、早くトイレトレーニングが進む…というわけです。
今は色や柄はもちろんですが、色々な層のトレーニングパンツが売っていて、普通のパンツと同じように薄い2~3層のパンツや、7~8層くらいの分厚い、いかにもトレーニング用のパンツもあります。
分厚い層のものは、失敗してもたくさんある層が吸収してくれるので、ぼたぼた漏れるということがあまりないので、大人にとっては洗濯が少なくすむというメリットがありますが、このメリットは子供のトイレトレーニングにはデメリット。
吸収がいいと不快感を感じる前に吸収され、おしっこが出たのか出ていないのか、子供が気付きにくいのです。
トイレトレーニングは子ども自身の意欲がとても大切で、パンツがモチベーションの一つにもなります。
多くの子はこれまでのただの白いおむつから、保護者が用意してくれた、その子が好きな色やキャラクターのパンツを履くことに喜んで、意欲的に履いてくれますよ。
トイレトレーニングいつから?
タイミングで適している時期は「排尿の間隔が2~3時間空いていること」が目安になります。
とは言え、2時間空く日もあれば、1時間の時もあるので、あくまで目安です。大人でも機械的に○時間置きに排尿する、という人ってなかなかいませんよね。
普段から水分を多く摂る子は尿間隔も狭めと、その子の生活によっても変わってきます。
月齢が高い子や、言葉がある程度話せる子の中には「トイレ行きたい」と言える子もいるので、そういう子はパンツに移行してもいいかもしれません。
大人でもそうですが、冬は寒くてトイレの間隔が短くなりますよね。 冬生まれでまだトレーニングをしていなくて「早くしなきゃ!」と焦って冬から始めると、失敗する確率が高くなってしまいます。 あくまでも目安なので、冬が終わってからでもいいや♪と気楽に構えておきましょう。
まとめ
トイレトレーニングとは、おむつからパンツに移行するためのトレーニングのことで、子どもを持つ親であれば誰もが一度は悩む難関だと思います。
すぐにパンツに移行できてしまう子もいれば、なかなか思うように進まない子もいて、個人差がとても大きいので、他の子と比べてしまうと「うちの子はどうしてできないんだろう。」と不安になってしまうお母さんも多いかと思います。
でも小学生になってもまだおむつを履いている子なんていませんよね?成長するにつれて必ずパンツに移行することはできるので、トイレトレーニングでは「焦らず、その子のペースを大切にすること」が一番大切ですよ。