保育園の「遊具事故」について。経験者直伝!その時…園の対応は?
「可愛い我が子を預けるからには、保育園で安全に楽しく過ごしてもらいたい」の為に、保育園の遊具事故について、
- 保育園見学時の遊具に関するチェックポイント
- 軽いケガの場合の保育園での対応
- 事故が発生したら…
- 見舞金は?
- 事故防止で保育園が努めている事
- 子供のこんな服装に気を付けたい
を元保育士の筆者の経験を交えてご紹介します。
私もこの春から子供を預ける予定で、今からドキドキです!!
Contents
保育園見学で遊具は大事なチェックポイント?
保育園や保育士の雰囲気は、特に保育園を選ぶ段階では重視したいポイント。
もし選択肢があるのであれば、一番目雰囲気がいいな、と思う保育園を選びましょう。(私の住んでいる地域には1つしか保育園がないので、選ぶことはできないのですが…笑)
保育園は園長の人柄や保育士の態度などで雰囲気が変わります。
保育園見学では大抵、保育園の中の様子や時間の流れ、用意するものなどを実際見せてもらっての説明があります。
特に入園が決まっている方には、丁寧に説明があるのではないでしょうか。
保育士時代を思い返してみると、遊具の説明はした記憶はありません。特に珍しい遊具があったわけでもないし、聞かれなかったんです。
実際親になってみて、上の子の入園のために保育園に訪れた時、親として気になったのが遊具でした。特にブランコと滑り台、この2つは事故が起こりやすい遊具です。
我が子が遊んで事故を起こしてしまうのでは?と、その有無や難易度、園庭にある位置など、それとなーくチェックしました。
1.遊具の位置
- 保育士がいつでも目に入る位置にあるか、何かあったらすぐに飛んでいける距離にあるか
実際に子どもたちが遊んでいる場合は、保育士の位置なんかも見てみるとよいでしょう。何かあったらすぐに行ける距離にいるか、いつも目線に入っているか、もしもの時に我が子を助けてくれるか、チェックしておくと安心でしょう。
2.遊具の難易度
- 滑り台の高さやブランコの椅子の高さ、アスレチック系の遊具の場合は年少や未満児でも遊べるものなのかなど
3.遊具の老朽具合
- 鉄の具合の錆び具合、木製のものは古さ、腐敗の具合など
2・3もチェックすると安心でしょう。万が一事故が発生した時、どの遊具か想像がつけば、状況を把握しやすいので、保育園見学時に確認したいポイントです。
事故発生!保育士の保護者への対応は?
遊具で遊ばせる時、保育士は必ず子供の動きの予想をして見ています。
しかしそれでも時に事故が発生してしまう事があります。では事故が発生してしまった場合、保護者への対応はどうするのでしょう?
① 軽い怪我、軽い出血の場合
子供って、まだ自分の体を上手に動かせないので、思わぬ所で転ぶもの。これは年齢が低いほど顕著です。
転倒などで膝をすりむいて出血したなど、戸外で遊んでいればいくら注意していても起こるもの。
私の場合は、気づいたり処置をしたりしたら、帰りのお迎え時に保護者に伝えました。
軽い怪我や出血で病院に行く事はありませんよね。家で対処する程度の事は、保育園がかわりに行うのが保育なんですね。保護者も、仕事などで保育に欠けるから保育園に預けるのです。
保育園側で処置できるものは園で処置をして、基本、お迎えの時間に保護者を呼び出し、報告をするのが基本でした。
しかし、子どもも一人一人性格が違って、怪我をして教えてくれる子もいれば、我慢をしても言わない子もいるのです。特にほんの軽い擦り傷なんかは、気づかない事もあったと思います。
我が子は年齢の割に体が大きいので、よく転び擦り傷を作ってきます。
でも先生には言えなくて「ママに消毒して欲しい」と言うんです。いつも小さな傷なのですが、万が一血がいっぱい出たり、とても痛かったりしたら、必ず先生に言うように伝えています。その甲斐あってか、先日は乾燥で掻きむしったお腹を、壁にぶつけて痛いと先生に見せて消毒をしてもらって帰ってきました…なんか少し違う気もしますが(笑)、万が一の時の事を思うと、先生に言えたので、一安心です。
② 高いところから落ちた、骨折、口の中の出血の場合
この場合はまず子どもの応急処置をして、上司に報告、そして直ちに保護者に連絡をします。
実際に、私の経験したお話をします。
それは年長の担任をしていた保育士時代、部屋の前の園庭で子どもたちを遊ばせながら、朝の受け入れをしていました。
園庭とクラスの間のテラスで靴を履き、固定遊具で遊ぶ子ども達を見ていた時、クラスで準備をしている子ども達がトラブルを起こしたと、呼ばれました。
外で遊んでいる子ども達に、「私は一度中に入るから、遊具に乗らないでね!」と伝えて部屋に入ったのですが…
部屋の中のトラブルに対応していると、子どもが「〇〇君が落ちた!」と言うのです。
急いで飛び出ると、登り棒の下で「イテテ」と立ち上がる子どもがいました。登り棒って、2メートル程あるんです。
話を聞くと、その頂上まで登って隣の登り棒に移ろうとしたら、手が滑って落ちたとの事。。
その子は見た所外傷もないし、骨折などの様子も見受けられませんでした。しかし外傷がないとしても頭を強く打っていた場合、後から症状が出てくる事もあるのです。
すぐに上司に報告し、再度状況を整理した後すぐに保護者に電話で連絡、するとすぐに保護者は飛んできてくれました。事故当時の状況と、私の不注意を謝罪。
お母さんも連絡で「心臓が飛び出た」と同時に「絶対いつか大きな怪我をするから怖い」と言っていました。こんなに心配させてしまって、本当に申し訳なかったと大反省…。
運の良いことに、その子は無傷で済みましたが、事故はいつ起こるか分からない事を肝に銘じた事件でした。。
この事故を防ぐために私がすべきだった事は、
- 一瞬でも目を離す際は、子どもを室内に入れるべきだった
- そもそも、全員揃ってから戸外遊びをすべきだった
- 子どもの性格(動きが激しいなど)を考慮すべきだった(ちなみに落ちた子は動きが激しく、無鉄砲な性格)
- 年長であっても、遊具での正しい遊び方を確認すべきだった
- 自分の視線、背中を向けてしまう瞬間があってはいけなかった
などを反省しました。もちろん事故報告書にもこれらを記入し、報告しました。
見舞金(慰謝料)や給料保証はしてくれるもの?
私の働いていた保育園では、見舞金を支払っていました。
この見舞金は、病院にかかった場合の治療代を支払う形。病院での領収書を提出してもらい、その全額を支払っていました。
私の働いていた時代も、子どもの病院での医療費は返却される制度のおかげで、保育園での事故で通院した場合も、自治体から医療費が戻ってきます。保育園でも同じ値段を支払う事で二重取りになってしまいますが、謝罪の意も込めてそうしている、との事でした。
今はどうかわかりませんが、その頃は、呼び出した保護者の給与保証まではなかったように思います。
うちの子が通っている保育園は、呼び出しを受けた事も、病院に行くほどの怪我をした事もないのでわかりません。
保育園によって、見舞金の有無や保護者の給与保証などは様々だと思います。
遊具事故を防ぐ為…園はこんな対応をしています
私の勤めた保育園では、事故が起こった場合は「事故報告書」と言うものを記入し提出、その後、職員会で必ず報告を行いました。
この報告書では事故の報告はもちろん、保育士の改善点などを記入します。
職員会で事故報告があると、保育士の見守り方の改善や環境の改善*など、職員皆で話し合って改善し、遊具事故を防ぐ対策をとっていました。
*環境の改善とは…遊ぶ遊具の増減や、子どもとの約束の見直しなどです。実際、何度もブランコをしまって使用禁止にしたり、年度途中に改めて子ども達と約束を確認したりしました。
遊具で遊ぶ時の保育士の見守りについて
保育士の立ち位置なども改めて確認、意識します。
子ども達が安全かつ伸び伸び遊べるように、全体が視野に入る位置で見守るよう確認するのです。
私も、新人の頃は上司に自分の位置を確認してもらった事もあります。それくらい、保育士の立ち位置って大切なんですね。
園児だけで遊ぶ事について
園児だけで遊ばせる事は、基本保育の中ではありません。
しかし、朝の受け入れ時に受け入れをしながら遊ぶ、という事はあります。
保育士が遊具で遊ぶ子どもをきちんと見ていられる時や、複数のクラスで合同受け入れをして、保育士が室内と戸外を分担できる場合に限られます。
これができるのは私の経験からすると、ある程度経験を重ねた保育士で、相手も年齢が大きい以上児でないとできません。年齢が年中、年長となると子ども達も自分で登園後の準備ができるようになるので、保育士が外にいても大丈夫な事が増えます。
新人の時は、受け入れだけでも精一杯。初めて1人で受け入れしながら戸外で遊ばせたのは、私が6年目の年長組の担任の時だった気がします。
万が一どこにも保育士が見守っている様子がない場合は、見学の段階であれば不安要素となるでしょう。
事故を未然防止!保護者ができる事
保育士の見守りはもちろんですが、特に以上児は1人担任という事もよくあります。保育士も人間なので、万が一の事が必ず起こらないとは限らない…となれば、保護者としても事故防止のために気をつける事が大切だと思います。
保護者のできることとしては、
・パーカーがついている服やジャンパーは避ける
パーカーのフードは首の後ろについてますよね、そのパーカーを後ろから引っ張ると、首が絞まってしまうのは容易に想像がつきます。
子どもはよく、相手に振り向いて欲しい時など、近くのものを引っ張ります。それが保育士が見ている時なら、苦しいからとやめさせる事ができますが、保育士が見ていない所で引っ張った場合、重大な事故になりかねないのです。
パーカーは可愛いですが、事故防止のために避けるようにしましょうね。
ちなみに最初から保育園側がパーカー付きのものは禁止している所もあります。我が子の保育園は、ジャンパーでさえ禁止になっていますよ。
・斜めカバンは避ける
保育園も以上児になると、通園カバンとして指定のリュックを購入する所が多いのではないでしょうか。
なぜ斜めがけカバンでなく、リュックなのか。
それは、子どもってカバンをおろさずに遊んだり走り回ったりするから。
斜めがけのカバンをかけたまま遊具で遊んでいた場合、カバンが引っかかって首が締まってしまう危険があります。
遊具で遊ばなくても、カバンをかけたり持ったりして走り回ると、周りの子に当たってしまう可能性もあります。
そのため、園の指定のカバンはリュック型になっているんです。
未満児は決まっていない事が多いですが、子どもに持たせる場合にはリュックにするようにしましょうね。
・マフラーなども注意
冬になると、防寒のためにマフラーを巻きたくなるものです。
しかしマフラーも、子ども同士で引っ張ったり、それを使って遊んだりすると危険なものになりえます。
我が子の防寒はどうしようか迷っていたのですが、周りの子を見るとネックウォーマをしていたので、「お、これはいい!」今度買う予定です!
また毛糸の帽子の耳の下に、紐がついてるものも避けると安心でしょう。
まとめ
このように、保育園見学の時のポイントや、事故への対応は様々にあるのです。
特に遊具はどんなものがあるのか、我が子はどの程度経験があるのか、チェックしておくと安心でしょう。
保育士は、危険のないようにきちんと遊び方を教えてくれるはずです。しかし時に事故が起きてしまう事もあるのです。
そんな時、どの遊具か想像がつけば状況を把握しやすいです。
また、事故対応もきちんとしているはずなので、心配することはありません。
気になりますが、あまり神経質になってしまわないようにしましょうね!我が子もしょっちゅう擦り傷を作ってきますが、子どもらしいと見ていますよ。
大切なお子さんを安全に預けたいのは、皆同じです。
是非、納得のいく保育園、保育士を信じて預けてくださいね!